短編・歌詞

□あつみな
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何をやってんだ俺は、最低な男だ。

悔し涙が流れて来るわ。

今は午前4時の朝、
好きじやねぇ女抱いてめっちゃ虚しくて。

心の隙間埋めるはずが余計に思い出す。

あれは確か雨の中浴衣姿。
愛ノ言葉を鍵に書いた湘南平。

「90歳でもラブラブね」って
言ってくれた笑顔を忘れるために最後今だから言えるかも。

「世界で一番お前をお前だけをただただ愛してた」って事を。


時間が経って初めて気付いた。

一人になって出来ない事の多さ。
溜まっていく洗濯に毎日の外食、
週末日曜日過ごす孤独を持て余してる。

いっぱいもらってた小さな優しさ。

お前が引き出してくれた俺らしさ。

何気ない事の方が大切だと分かった。

夏の海のオレンジ色の空を見ながら、敦子との思い出の浜辺やっと来れたよ。

大丈夫さ、心配するな。

一歩一歩俺は俺で頑張って歩くから。


傘のような存在がいなくなってびしょ濡れ。

寒さに震え孤独に怯えるけど、

チクショウ絶対負けたくねぇと
ガムシャラに前だけを見てきた。

“大切な何か”を忘れてないか。

なんて問いかけた空は晴れ渡っていた。

お前は今の俺をどう思うのかな?俺らしく生きてるか。

出逢いって笑顔になり、
別れて涙を流す。

痛みはやがて強さに変わる。

日暮色の君との愛を夏の海を見ると必ず思い出してしまう。

紅の夕暮れに純情に憧れ。
群青の夜明け自分を戒め。
億千の星の中いつかきっと一途になれる女(ひと)に出逢うだろう。

「綺麗になれよ」
「カッコ良くなるぜ」
「幸せになれよ」
「BIGになるぜ」
これが最後にかけた言葉。

決意の太陽が輝いている。

もう、本当に最後。
届かないけど君へもう一度。

プルルル…プルルル…

あれ…?
俺の頬に伝う涙。

涙を拭って電話に出る。

優「みなみー。カラオケ行こうぜ。」

み「あぁ。」

今はカラオケに行って歌いたい気分。

優「じゃ、またあとでなぁー。いつものカラオケ屋でいつものところねー。」

身だしなみを揃えて家を出る。

カラオケにいったら、もう優がいた。

優「おせーぞ。」

み「おう。」

優「おい、みなみ。そんなに引きずっててもいいことなんて一つもないぜ?」

み「わかってるけどよ…でも、忘れられねーんだよ…」

優「じゃ、また一からやり直すのか?」

み「もう、それもできねーよ…」

優「めんどくせーなぁ。もー、お前歌え!この曲を!お前にぴったりだ!!!」

そう言って優がいれた曲は、

湘南乃風の恋時雨。

失恋ソング。

俺は、湘南乃風が好きだ。

だから、この曲も歌える。

しょうがなくマイクを持ちうたう。
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