短編・歌詞

□さやみる
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side彩

今日は、学園祭。

うちは、これからライブがある。

あと1時間やな。

そこらへんうろちょろするか。

ライブの格好に着替えてうろちょろする。

あー。美優紀に会いたい。

美優紀はうちの彼女。

タカラモノ。

無邪気に笑った顔
不器用な性格も
優しいその声も
美優紀と一緒ならどんな景色でも輝いて見える。

いつも左側を歩きたがる美優紀の右手をしっかり握りしめて離した事がない。

そう言えば、美優紀の泣いた顔見た事ないなぁ。

ずっとバカみたいに笑ってるもんなぁ。

美優紀なんか悩み事あるのかな?
今度聞こう。

もしも、何か背負ってるんなら
半分持つ。

本当うち、美優紀のこと知らんな。

まぁ、まだ付き合い始めて2ヶ月。

美優紀のすべてが欲しい。

うれしいこと
悔しいこと
美優紀の喜怒哀楽も全部

気の利いたことは言えないけれど
美優紀のためなら何でもできる
ずっと、共にずっと、隣を歩いててほしい。

美優紀に会いたい。

そう思っていると美優紀のクラスの前にきていた。

美「あっ!さやかたん。」

彩「よぉ。」

美「クッキー食べる?」

彩「ありがと。」

美「どうしたん?もしかして、私が恋しくて会いにきちゃったとか?」

彩「まぁ、そんな感じやな。」

美「あれ?今日素直やん?いつもは、ちゃうわ!あほ!とか言うのに。」

だって、ほんまのことやもん。

彩「言わんわ。しかも、モノマネ似てへんし。」

美「えへへ、許してや♪」

おねだりポーズが可愛い。

女1「ねぇ、あれ彩先輩じゃない?」

女2「ほんまや!かっこいい!」

キャーキャー言ってる方を見ると女子三人組がこっちを見ていた。

女3「あっ!目あった!」

女1「そう言えば、このあと体育館でライブだよね?」

女2「愛菜先輩とか、由依先輩とかでるんやて!」

女3「早く行こうよ!前の方空いてるんじゃん?」

女の子達はキャーキャー言ってどっか行った。

美「さやかたんは私のだもん。べぇー。」

女の子達の方にべぇーっと舌を出す美優紀。

彩「あほ、うちは美優紀しか見いひんわ。」

美「せやな♪」

彩「あのさ、このあとライブがあるやけど…こーへん?」

美「いくぅ〜!まーちゅんと菜々ちゃん連れて行く!」

彩「わかった。うちが見えるところにいろよ?」

美「うん♪」

彩「じゃ、行くな。」

美「えー、もう行くん?」

彩「うん。最終確認があるからな。」

美「じゃ、」

チュっ。

美優紀に唇を奪われた。

彩「…///」

美「頑張ってな♡」

彩「お、おう…」

やっば、今うち顔赤いわ…笑


ピンポンパンポン♪

ア「もうすぐ!体育館でライブがありまぁ〜す!!!この学校の人気者4人で結成されたバンドです!!ボーカル兼ギター!3年山本彩!!!ボーカル兼ベース!3年福本愛菜!!!ピアノ!横山由依!!!ドラム、2年木下百花!!!イケメンぞろいです!!!どれだけ体育館が熱くなるのか!!そして、この4人はどこまで熱くさせるのか!!!乞うご期待!!!今すぐ体育館へGO!!!」

誰だよ、このアナウンス…

すげぇー1人で盛り上がってんじゃん…

愛「彩〜遅いで〜。」

彩「ごめんごめん。」

由「どこいってはったん?」

彩「彼女のとこ。」

百「彼女!ふぉー!!!彩さん!やるぅ〜!」

彩「なにこいつ。やる前からテンションマックスやん。笑」

由「いつもの事やん。」
愛「気にすんな。今日は、彩のソロがあるから集中しぃ。」

彩「言われなくても集中してます。」

百「燃えてきたぁ〜!!!」

由「ライブが終わるまで燃え尽きんか心配や。」

愛「大丈夫やろ。」

ア「まもなく、体育館にてライブが始まります!!!」

彩「よっしゃ!エンジン組むぞ。」

「「「おう!」」」

彩「今日は最高のライブにすんぞ。」

愛「ソロ頑張れや。」

由「かっこいいとこ見せつけたれ。」

百「彩さん!彼女に捧げてやれ!」

彩「おう!行くぞ!!!」

「「「うぃ!!!」」」

舞台の幕が開きライトがうちらを照らす。

「「「キャー!」」」

「彩ー!!!」

「あいにゃーん!!!」

「ゆいはーん!!!」

「百花様ー!!!」

それぞれの名前が飛び交う中、
ライブが始まった。

つか、百花様って…
いつ聞いても、なんかうざく感じるわ…笑

歌っている間ずっと美優紀を探した。

美優紀は4列目の丁度うちのまっすぐのところにいた。

目が合うと笑顔で返してくれた。



数曲終わり、3人は後ろで水分補給やらなんやらする。

うちも、水を一口飲んで

マイクに向かって言葉をはいた。

彩「次は、うちのソロ曲です。ソロ曲って言ってもナオト・インティライミさんの歌なんですけど、この曲を今日、うちの大切な人に捧げたいと思います。それでは、お聞きください。タカラモノ〜この声がなくなるまで〜」
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