短編
□花言葉
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〜side美優紀〜
美優「彩さん♪」
彩「あっ、美優紀ちゃん。」
美優「今日、講義ないんできちゃいました♡」
彩「ほんまに、講義受けてるん?笑」
美優「受けてますよー!」
彩「それで?今日は、何しにきたの?」
美優「彩さんに会いにきた♡」
彩「変なこというな///」
美優「彩さん、可愛い〜♡」
最近、私は、大学近くのお花屋さんに通っている。
2ヶ月くらい前、菜々ちゃんが骨折して入院したからこのお花屋さんにお花を買いにきた。
その時であったのが彩さん。
私の、3つ上で、このお花屋さんでバイトをしてる。
今では、ほぼ毎日通ってる。
美優「なぁ、花って一つ一つ意味があるんやろ?」
彩「せやで。」
美優「彩さん、全部言える?」
彩「んー、ここにある花なら全部。」
彩さんは、店内をグルーっと見渡してそう言った。
美優「それじゃ〜、バラは?」
近くにあった、バラを指差す。
彩「定番やな。笑
バラは『愛』『乙女』って意味やで。
でも、バラは色によって意味ちゃうんやで。
例えば、
ピンクは、『愛を誓う』と『暖かい心』。
濃紅は『恥ずかしさ』。
青は『神の祝福』とかかな。」
美優「へぇー、そんなにあるんや。」
彩「せやで。」
美優「なんか、一般的な花でも意味深なものありそうやな。」
彩「チューリップとか?」
美優「そーそー、」
彩「確か、チューリップも色で意味が変わるで。」
美優「そーなん?」
彩「うん。
赤は『愛の告白』『永遠の愛』。
白は『新しい恋』。
黄色は『愛の表示』。
これが一般のチューリップかな?」
美優「チューリップって、愛とか恋とかなんやな。」
彩「意外とね。笑」
美優「彩さん、彼女いるん?」
愛とか恋とか言うてたら、彩さんの恋愛事情が気になった。
彩「いたら、今頃遊びに行ってる。笑」
美優「そーやんな。笑」
彩「でも、好きな人はおるよ。
最近会ったばっかりやけど、話しやすい人。」
美優「そーなんや…」
なんか、彩さんの好きな人聞くの嫌やな…
自分から、聞いたけど…
きっと、可愛いんやろうな。
彩「なぁ、花渡して告白ってベタかな?」
美優「ん?あー、思いが伝われば一番いいと思うよ。
だから、ベタやぁ、とか気にしなくていいと思う。」
彩「そっか。ありがと、美優紀ちゃん。
よしっ。」
彩さんは、立ち上がって、2種類の花を一つにまとめ始めた。
美優「それ、好きな人にあげるん?」
彩「そうやで。こっちの花はベニバナ。こっちはハナモモって言うんや。」
聞いたことない花の名前だった。
彩「よしっ、できた。」
美優「今、行くん?」
彩「おう。」
美優「でも、店長さん帰ってくるまで待たなきゃ、」
彩「待たなくても大丈夫やで。」
美優「なんで?」
彩「もう、好きな人は目の前におるから。」
美優「えっ…?」
彩「俺、美優紀ちゃんのこと好きになった。この花、受け取ってくれる?」
美優「でも、私ダメダメやし…」
彩「全部受け止めるから。
あっ、ちなみにな、ハナモモの花言葉は『あなたに心を奪われた』で、ベニバナは『特別な人』。
美優紀ちゃんは、俺の心を奪った。その責任はとってもらわな?笑
俺の特別な人になってくれますか?」
彩さんは、膝を着いて、花を差し出す。
美優「はいっ///」
花を受け取り、彩さんに抱きつく。
彩「うおっと…、よしよし、笑」
彩さんは優しく頭を撫でてくれた。
美優「私も…好き…///」
私は、彩さんに聞こえるか聞こえないかくらいの声で、そう言った。