番外編

□秋祭り
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白『あぁー!!!
BBQの用意すんの忘れてた!!』




橋「なにやってんの」




白『マジ無理!』




橋「お客さんの?」




白『そー!
大学生6人なんだけど
こんな忙しい時に
BBQなんかすんなっつーの!』




橋「しーちゃん、後ろ」




白『え?
イデデデデッ!!』




(文句を言わずにやる)




白『あいっ…』




(奈々未、今日うちで食べてく?)




橋「うん、
なぁちゃんと飛鳥いるし」




(わかった、用意しとくね)




橋「ありがとう」




突然現れ、さっそうと消え去った
しーちゃんのお母さん。




白『こんな雑務、私にやらせるなよー』




橋「また怒られるよ」




白『奈々未ちゃぁーーーん
手伝ってぇー…』




橋「祐希、連れてくる。
それまでに終わってなければね」




白『ゆっくりやる!』




橋「ちゃんとやって」




白『はい…』




私は1回家に戻り、
お店を閉めてから
寝ている祐希を抱っこして
しーちゃんの家へと向かった。




白『戻ってくんの、はや』




橋「店閉めて
祐希連れてくるだけだから」




白『なんだよー。
全然終わってないよ』




しーちゃんはまだ
テーブルと椅子を
組み立て終わっただけだった。




橋「2人のところに預けてくる」




白『いってらー』




2階の端っこの部屋。

ドアを3回ノックすれば
なぁちゃんが出てきた。




西『どーしたん?』




橋「しーちゃんの手伝いするから
祐希、見といてくれる?」




西『ええよ。
でも、お店は?』




橋「閉めてきた」




西『そーなんや。
あ、飛鳥が
ななみん素っ気ないって
言ってたで?
安心させてあげてや?』




橋「あ、うん…」




西『フフッ、久しぶりに会うから
接し方忘れたんやろ』




橋「んー、
好きって言ってから
会うの初めてだからさ
今まで通り接することが
出来るのかが不安なだけで…」




西『飛鳥の方がもっと不安やから
な?』




橋「うん、ごめんね」




西『フフッ、ええよ』




橋「祐希起きたら
中庭いるから遊びに来て」




西『うん、わかった』




私は飛鳥に会わずに
部屋をあとにして
しーちゃんの所へと向かった。




白『んだよ、全然つかないじゃん』




橋「下手くそか」




白『奈々未、』




橋「貸してみ」




白『やっぱり、親の血を引いてるね』




橋「うるさい。
ほら、これでつけて」




白『おっ、サンキュー』




橋「もう、準備終わったんでしょ」




白『うん、まぁ
でも、少しサボろうかな』




橋「おばさんに怒られるよ」




白『バレないよ』




橋「ったく」




白『てか、飛鳥とどうなの』




橋「どーなのってなに」




白『いい感じじゃん』




橋「その前に、
あんたのことが知りたいよ」




白『私?』




橋「なぁちゃんに
好きって言ったんでしょ」




白『なっ…!///
なんでそれ知ってんの!?』




橋「飛鳥から聞いた」




白『あそこ、繋がってんのか…』




橋「まぁ、しょーがないでしょ」




白『好きって言ったけどねー』




橋「付き合おうとは言ってないんでしょ」




白『そんな所までバレてんのか…(笑)』




橋「なぁちゃん、
待ってんじゃないの?」




白『出会ったその日に
好きとか言ったやつのこと
信じられるわけないじゃん』




橋「信じられないやつのとこ
泊まりにくる?普通」




白『んー、まぁ、
それもそうだけど』




橋「少しは自信、
もっていいんじゃないの?」




白『そーかな』




橋「私だって
飛鳥と付き合えてるし」




白『ふーん…



って、はぁ!?!?』




橋「なに」




白『何じゃないよ!』




橋「フフッ、相変わらずの反応
どうもありがとう」




白『またやられたよー…
ったく、
まぁ、おめでとう。
これであの人のことも
忘れられるね』




橋「そーだね」




白『にしても、
浮かない顔してんじゃん
どーした』




橋『いや、何ていうの?
久しぶりに飛鳥に会って
どう接していいかわかんなくてさ」




白『なにそれ』




橋「私、冷たすぎて
呆れられたこともあるし
なんか、人との付き合い方
マジでわかんないからさ」




白『感情、表にも出さないしね』




橋「どーすればいいかわかんない」




白『んー、普通にしてれば?』




橋「普通ってなんだよ」




白『でも、
普通ってさ、難しいよね。
私にとっての普通は
奈々未にとって
もしかしたら
めちゃくちゃ強い愛情表現
だったりするしさ、
奈々未にとっての普通は
私にしたら
めちゃくちゃ冷たい対応
だったりするからさ』




橋「そーなんだよね。
ほんとに難しいところ」




白『1回、重いって
言われて捨てられたことあるもんね(笑)』




橋「うっさい
別に重くなんかなかったのに」




白『やってる時、
がっつき過ぎた?(笑)』




橋「そーかも(笑)」




白『アハハハッ!!
飢えてんねー、奈々未は』




橋「あんたほどじゃないから
私は手を出すなって言われたら
一生手を出さないことだって
出来るんだから」




白『私無理だわ』




橋「そういう時どーすんの」




白『んー、
でも、浮気はしないからなぁ』




橋「当たり前だから」




白『枕に向かって叫ぶ(笑)』




橋「特殊かよ(笑)」




西『ななみん』




橋「ん?なぁちゃん」




しーちゃんと話していれば
祐希を抱いたなぁちゃんが
やってきた。


その後ろに飛鳥もいた。





西『祐希ちゃん、起きてんけど
ななみん探して泣いてしもてん』




橋「おいで、」




祐『ゔぅ…』




橋「もう大丈夫だから」




祐『ぅん…』




橋「大丈夫、大丈夫」




膝の上に乗せて
背中を優しくさすってあげれば
また、スヤスヤと眠ってしまう祐希。




橋「飛鳥、おいで」




なぁちゃんは
まいやんの隣に座ってるのに
飛鳥は立ったままだったから
私は隣に呼んだ。



すると、控えめに
隣に座ってきた。




橋「飛鳥も、寝る?(笑)」




飛『うるさい、寝ないから』




橋「フフッ、ごめんって」




西『なぁ、これ
なにするん?』




白『お客さんのやつ
BBQやるんだってさー。
こんな暑いのに馬鹿だよね』




西『フフッ、でも楽しいからええやんか』




白『友達とかならね。
でも、私たちしょっちゅう
外で食べてるから』




橋「漁師のおっさんが
持ってきたものは
基本家で焼かないからね」




飛『そーなんだ』




橋「多分、日曜の昼くらいに
持ってくるんじゃない?
行くって言ってたし」




白『私はお肉が食べたいよ』




橋「文句言うな」




白『ほーい』




(麻衣、またサボってんの?)




白『うぉ!
いきなり現れないでよ…』




(あら、なぁちゃん、飛鳥ちゃん)




西『こんにちは』
飛『どーも…』




(フフッ、仕事ばっかさせてごめんね)




白『え、遊び行っていいの?』




(ダメに決まってんでしょ)




白『うげぇー…』




(あ、明日のお祭り行くの?)




橋「うん」




(2人も?)




橋「連れてく」




(あのさ、浴衣あるから着てかない?)




白『私いーや』
橋「私もパス」




(あんた達に聞いてないわよ。
着ないことなんて分かってんだから
なぁちゃんと飛鳥ちゃんよ)




西『いいんですか?』




(いいわよ。
ずっと押入れの奥に入れっぱなしでも
浴衣が可愛そうなのよ)




西『なぁ、飛鳥着よ?』




飛『いいけど』




西『なな、今年着れへんかと
思っててん』




飛『フフッ、嬉しそう』




西『浴衣好きやもん』




(祐希ちゃんのもあるわよ)




橋「祐希は着させる
迷子になってもすぐ見つかるから」




飛『なにその探し方』




橋「毎年そうやってんの
たまにいなくなるからさ」




飛『フフッ、犬みたい』





飛鳥たちは明日、
浴衣を着ることになった。
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