短編・歌詞

□さやみる
2ページ/8ページ



俺は、少し立って、家に帰った。

菜々「彩、みるきーに気持ち伝えた?」

家に帰って、姉ちゃんが聞いてきた。

俺は、その言葉で涙が溢れた。

菜々「彩…?」

彩「俺…、俺、何も…言えへん、かった…」

普段怒らない姉ちゃんだから、優しく慰めてくれるかと思ってた。



パチンっ!!



でも、違かった。



俺の左頬を叩いたのだ。

菜々「なにしてんねん!!
みるきーのこと好きなんやろ!
なんで、俺は待ってるって言わんかったんや!
気持ち伝えに行ったんやろ!?
バイバイ言いに行ったんちゃうんやろ!」

俺は、頬よりも心が痛かった。

だって…
姉ちゃん、泣いてたんやもん…

また、愛希くんに怒られるな。

そう思ってたら、愛希くんがリビングにきた。

愛希「彩。俺がお前の立場なら、今すぐ家を出る。
大好きな人の元へ走って行くで。
彩は、今どうする?」

愛希くん、廊下で聞いてたんやろうな。

姉ちゃん、滅多に声あげへんもんな。

彩「っ…美優紀…


愛希くん!姉ちゃん頼む!」

愛希「おー。

頼むなんて言われなくても、
世話したるけどなぁー。笑」

菜々「さいてー」

愛希「ごめん、ごめん。笑」

俺は、家を飛び出た。

二駅離れた美優紀の家まで走った。

すげー、肌寒かったけど、そんなこと関係なかった。

ただ、美優紀に会いたくて、

気持ちを伝えたくて、

行くなって言いたいけど、

美優紀の夢潰されへん。

だから、俺は、

夢を叶えて、俺の元に帰って来いって、言うんや。

別れたくないって、

好きやって、言うんや。

口下手なんて、言い訳や。

彩「はぁ、はぁ、はぁ、」

美優紀の家の前で、息を整える。

愛梨「あっ、彩くん」

美優紀の弟の愛梨だ。

彩「今日、両親おるん?」

愛梨「帰ってくるの遅いかな?」

彩「俺の家にいてくれへん?
美優紀と大事な話しなあかんねん。」

愛梨「わかった。
お姉ちゃん、一昨日くらいから悲しい顔しかしてなかったから、彩くん、安心させてあげて?」

彩「当たり前や。
俺は、美優紀の彼氏やで?」

愛梨「うん!」

愛梨は、俺の家へ向かった。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ