短編・歌詞

□さやみる
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side彩

彩「卒業します。」

俺は、今日この学校を卒業する。

生徒代表として読ませてもらった。

生徒会長がやればええのに…

なんで俺なんや…

このあとは、俺ら、軽音部のLIVE。

その時歌う今日は大切な人に贈る。

今、始めて打ち明ける。

俺の本当の気持ちを。

大好きな君にだけ、偽りの無いこの気持ちを。

ずっと苦しかった。

誰にも見せなかった。

胸の奥の方にたまった涙、
君となら流せる気がした。

これから先、俺と君が歩いていくこの道には嬉しい事、悲しい事、いろいろあると思う。

だけどもう一人じゃない、俺がずっと守るから。

そんな強さをくれたのは全部君なんだ。


二人で見る何回目の桜だろう?

君と始めて会ったのは入学式。

君が道に迷ってて、俺が同じ制服なことに気づき一緒に学校に行った。

入学式ギリギリに行って、怒られたけど。笑

また来年も再来年も見たい。

今までこれからも、明日からも共に築きあげていく未来を。

柔らかく吹いた春の風が、そっと君の髪をなびかせた。

その笑顔が愛おしい。
ずっと俺のそばにいてほしい。

もともと一人だけの夢だったはずが君の夢も重なって、

それを叶えるために君を守りぬく事が今の夢になって。

たまにはケンカをすることもあるだろう。

でも一つ一つ乗り越えて、
ただ君を幸せにする事が今の俺も全て。



愛「行くで、彩。」

彩「おう。

の前に、」

メンバーにお礼を言う。

愛「なんや。」

彩「みんな、ありがとう。

いままで、ありがとう。」

百「なんや、笑」
愛「ほんまや。笑
照れるやろ。」

愛希と百斗は「はっ?」みたいな顔してたけど、

椅子に座り、ギターの確認をしていた由依はわかってくれた。

そして、由依もお礼を言ってきた。

由「俺も。

いままで、ありがとう。」

彩「もう、この日は来ないんや。

俺らが高校生であること、
ここの生徒であることが今日で終わるんや。

あと、ここ…」
由「ここの生徒で俺らがこうやって連めるのも今日まで、やろ?」

俺のセリフ取りやがって…

彩「そーや。」

愛「そーか、」

百「でも、俺はここで言わん。

ステージで叫ぶんや!

お前らにも、あいつらにも!」

いつも、だらしなく着こなしている制服を今日はちゃんと着ている百斗。

まぁ、言うことはいつもと変わらへんけどな。笑

彩「じゃ、行くか。

俺らの最後のステージ!
泣かせるぞ!!!」

「「「おう!!!」」」

ア「まもなく、当学校軽音部による卒業LIVEが始まります。

彼らにとって高校生活最後のステージです。

保護者の方、暖かく見守り下さい。

卒業生、在校生は文化祭を超える盛り上がりを見せて下さい。

それでは、準備が整いました。

最後のステージ、お楽しみ下さい。」

ステージの幕が開きスポットライトが俺らを照らす。

「彩ー!」

「愛希〜!」

「百斗〜!」

「由依ー!」

メンバーそれぞれの名前が飛び交う中、俺はマイクに向かって言葉をはいた。

彩「えー、このような大事な式にLIVEが出来てすごい嬉しいです。

しかも、最後のステージがこのような大事な式で嬉しいです。

俺らの話になるんやけど、

俺らは、入学式したての頃、
同じ部活に入ったってことで仲良くなって、よく連んで、よくいろんなことして遊んで、よくいろんな人に迷惑ばっか掛けてました。

例えば、、、
学校の屋上に勝手に入って打ち上げ花火並べて校庭に向けて発射したり、

使ってない教室を勝手に模様替えして自分たちの部屋にしたり、」

百「コタツ置いたよな。笑」

愛「ロッククライミングも壁に作ったもんな。笑」

「「「あはは!」」」

会場が笑に包まれる。

彩「あぁ、笑

あとは、部活で先輩たちとあたったし、
後輩ともあたりました。

一回、俺は部活をやめようともしました。

その時、止めてくれたのはこいつらでした。

すごい必死で止めてました。

必死すぎて、百斗の本音が出てました。

『お前が抜けたら、このバントにボーカルいなくなんねん!』って。笑」

由「そのあと、俺怒ったよな。笑

俺も、ボーカルできるわ!ゆーて。笑」

百「知らなかったん!///」

彩「そして、今日俺は感謝したい人がいます。

もう、バンドのメンバーにはお礼を言いました。

先生方、共に高校生活を送ってきた、クラスメイトたちには式後に言います。

ここで、お礼を言いたいのは1人です。

俺は、誰か言いたいんですけどその人にあとで絶対に怒られるので言いません。笑」

百「親?」

愛「いや、ちゃうやろ。

犬?」

彩「なんで、犬なんや!アホ!」

愛「彩、犬バカやん。笑」

彩「うるさいわ!

まぁ、確かに音遠はかわええで?」

あっ、やっぱり親バカや。笑

由「彩、あいつやろ?ミ…」
彩「あー!ほー!ゆーなや!」

「「「あはは!」」」

俺のツッコミで会場が笑う。

由「まぁ、とにかく歌おうやぁ〜」

彩「せやな。

今回は、時間の関係で一曲とトークの時間しかもらえなかったので、俺が選んだ曲を歌います。

聞いて下さい。桜。」
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