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□虹
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kei*side
「いのちゃんのばーーーーーか!もう知らない!」
俺と薮で、光と3人で写っている写真をみて昔話で盛り上がっていた。
その間にだいちゃんがなにやら話しかけてくれたらしいのだが、あまりに盛り上がってしまってその声に全く気がつかなかった。
そしたら、いきなり立ち上がってさっきの言葉を捨てゼリフにして出ていってしまった。
…あと、だいちゃんとのペアの時計も一緒に。
「まずいね、だいちゃん怒ってたじゃん、伊野尾慧、最大のピンチだね」
「薮、それなんだよ…」
「だって、だいちゃんが処お構いなしにあんなこと言ったから相当なのかなって」
そう言われれば、そうなのかも、しれない。
でも、どこでケンカしたってだいちゃんは俺の大事にしているものを弱点を握ったかのように隠したり、一緒に持ってどっか行く。
それが毎回ペアのもの。
「なにその話。だいちゃん、かわいすぎるんだけど」
「でしょ。その隠す場所、毎回同じなんだよなー。気付いてないと思ってるのかな?」
「さすが、ピュア」
「じゃあ、俺行ってくるわ」
扉を開け、おそらくだいちゃんが行ったであろう場所に今日は先回りでもしてみよう。
夕日がきれいでもうすぐ日暮れを知られる鳥の声が聞こえる。
公園に着くと、だいちゃんはまだ来ていなくて奥のほうにあるベンチに座って待つことにした。
でもやっぱり秋に差し掛かっているということもあり、あたる風は冷たい。
早く来ないかな、なんて入口の方向を見たその時、だいちゃんがやってきた。