shortU
□気づいて、気づかないで
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kei*side
「もう、なんなんだよ〜」
目の前でだいちゃんにちょっかいを出す山田。本当にこの二人は仲が良い。俺の入る隙間なんてないくらいに。
だいちゃんは可愛いからみんなに好かれている。
だいちゃんへ寄せている密かな想い・だけどだいちゃんは山田が好きなんだろう。ずっと見ていたんだからそんなの嫌でもわかる。
「俺の、有岡だろ」
「ちょっ…もう…/」
ほら、顔真っ赤にしちゃってさ。その言葉俺が言えたらどんなに幸せなんだろう。
ま、今言ったところで迷惑になるだけだから言わないけど。
でも、だいちゃんに対する想いは日に日に大きくなっていき、自分自身どうしたらいいかわからなくなる時がある。
「だいちゃん、すきだよ」
山田のその言葉に読んでいた雑誌がバタッと床に落ちてしまった。
「やまだっ!それだめ!!」
だいちゃんは一瞬こっちを見て俺の様子を窺(うかが)っているようだ。
「はいっ」
「あ、ありがとう」
この手には俺が落としてしまった雑誌。
わざわざそっちの会話を中断してまでこっちに来てくれたことさえもうれしい。
俺…こんなにだいちゃんのこと好きなんだ。