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□二人の時間を
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daiki*side
「おはよう〜」
「あ、だいちゃん、おはよう」
今日はいつもと違って余裕があったから早めに楽屋に入った。
一番かな、なんて思いつつも挨拶はしてみよう、なんて。
でも俺の想像していたものとは裏腹に返事が返ってきた。俺の大好きないのちゃん。
「今日は早いねー」
わざわざこっちまで寄ってきてくれて、いい子だね、なんて言うように頭をポンとされた。
「うるさいやい!たまには早く来る時だってあるもん!」
ま、今日9時からだけどね、
ボソッといのちゃんが言うもんだから何気なく時計を確認。ほんと反射的に。
「7時半だけど…8時からじゃなかったの?」
「今日ねー9時からだよ、ほら!」
いのちゃんのマネージャーの手帳をみると本当に9時開始だった。ってなんでマネージャーの手帳持ってるの。
なんで俺のマネージャーは何も言ってくれなかったの。
考えるだけで疑問がいくつも生まれてくる。
っていうか…いのちゃん、また嘘ついた…。
「なに、怒ってんだよー」
「だって!9時からならまだ寝れたのに!」
昨日のドラマの撮影もあってちょっと眠いのに…。
「じゃあ、俺の膝の上で寝るか!」
「寝るか、バカ!!」
いのちゃんがいるソファとは反対側のソファに座り、しかたなく時間を潰す。
ちらっと視線を移せば、いのちゃんが新聞を読んでいた。新聞読むんだ…。
将来キャスターとかになっちゃったりして。
「なんか飲み物買ってくる」
まだまだ時間はあるし、いのちゃんもなんか集中して構ってもらえなさそうだし、ジュースでも買いにいこうと楽屋を出た。