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□ジェットコースターロマンス
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daiki*side




「やだっ!ぜーったいやだ!!!」

「そんなこと言ったって仕事だもん!」


俺といのちゃん、ただいま絶叫マシンが数多くあることで有名な遊園地にロケに来ております。

そこでギネスにも載るようなジェットコースターに乗るんだけど、いのちゃんがこの通り。

ずーっと、だだこねて…。


「ほらー!行くよ!!」


腕を引っ張って連れて行こうとするけどいのちゃんは力を込めて拒否を続けている。


「まじで無理、がちで無理、まじでがちで無理。」

「いや、いのちゃん、俺だって乗るよ?」

「いやいやいやいやいや…」


プチンッ。
有岡大貴、何かが切れました。


さっき以上に力を込めて思い切り引っ張り、目的のジェットコースターに乗せる、

俺が何かが切れてからのここまでの時間、2分。


「だいちゃん…っ?、なんで俺はこれに、乗ってるのっ…、え、あ、うわ…っ」


ジェットコースターがあっという間に動き出しいのちゃんもうパニック。


「うるさい!」

「こわくない、こわくない…こわくない」

「だから、うるさい!!!」


もう、今更そんなこと言ったって、頂上まで来てるんだから。


なんだよー、俺が隣にいるのに…

"だいちゃんと一緒なら大丈夫"くらい言ってほしかったのにな。

そんなに俺は頼りないのかな?
まあ、たしかに、JUMPでは可愛がられているし、常にいのちゃんにリードしてもらってるけど、たまにはさ。俺だって男なんだから!


って思ってたのに。



と、いうところでジェットコースターが前に傾き始めた。



「うわっ…だいちゃん!手!手!」

「うえ?あ、うん、!」


そのままジェットコースターは急降下に体がふわっと浮いていく。
さっき繋いだ手はしっかり握られていて、その手を離そうとしない。


なんだよ、いのちゃん。
可愛いところあるのね。それに俺は嬉しくなった。おかげで怖いはずのそれもすごく楽しかった。



「…だいちゃん、やべえ…」


いのちゃんはというと、あまりに怖すぎて震えが止まらないらしい。たしかにずっと震えている。


カメラが回っているけど、



「いのちゃーん、」


震えている彼の体をぎゅっと抱きしめた。
抱き付いた、の方が正しい言い方なのかな。


「だいちゃん、カメラっ!」

俺の耳元で小さく言う。でも俺はそんなの気にせず力を強めた。


さっきの手の仕返しだ。いのちゃんの握力、地味に痛かったんだからね。



「もう、だいちゃんったら。一緒に乗ってくれてありがとう」


「んー」



終わりよければすべて良しってこういうことなんだね。

いのちゃん、いのちゃんはやっぱり俺の大好きな人だよ!










「いのちゃん!もう一回乗ろう!」


「…えっ、ぜーったいやだ!!!」




*fin*

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