ヘタリア 小説

□*〜ハナの場合〜 プロローグ
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外からは私が所属する陸上部の練習をする声と笛の音が聞こえる。

私はというと…
数学の課題に追われている。


まったくもって問題が分からないです・・。
追試はもう終わったのに
基本中の基本でつまづいて5分ぐらいずっと考えこんでいる。

「うぅーーー……。」

うなっていると、
後ろから頭を叩かれた。
後ろを見なくたって叩いたのは誰かすぐ分かる。

「そんなにうなったって問題は解けないぞ。」

「だって、分からないんだもん…」
そう言ってそっぽを向くと、
ロヴァーノくんは少し笑ってから頭をぐしゃぐしゃとかき回してきた。

「もう、髪がぼさぼさになる……」
「そんな変な顔するな。ブサイクな顔がさらにブサイクになるぞっ。」
「ひっ、ひどいです!...私もう部活に行きます!!」
そう言って私は荷物をまとめて教室をでた。

ロヴァーノとは幼なじみで家も近い。
でも彼の弟、フェリシアーノは少し苦手であまり話したことがない。というより私が一方的に避け続けてる。


大会も近いから急いで行かなくちゃ。


急いで着替えてグラウンドに着くと、
部活はもう始まっていて部員はグラウンドを走っていた。
私も準備体操をしてグラウンドを走り始める。

何週か走った後、部長から「集合!」
という号令がかかる。

「えーと、今から大会にでる人を発表します!」
その言葉を聞いた瞬間、みんながざわざわとする。

「静かに!選手は〇〇、〇〇..ハナ..以上」

自分の名前が呼ばれると、
嬉しさのあまり涙がこみ上げてきて、
それを必死でとめる。
「やったじゃん!ハナ頑張ってたもんね!!」
「どっどうしようマイちゃん…!」
「大丈夫。応援してるよ。」
幼なじみのマイちゃんは自分のことのように喜んでくれた。

この大会、頑張ろう!
そう気合をいれ直した。

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