two piece

□アプローチ
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パンクハザードからドレスローザに向かう途中、ロビンはもものすけと一緒に眠りに落ちたが、夜更けにふと目を覚ました。
隣のベッドではナミがぐっすり眠ってる。

気持ち良さそうなモモとナミの寝顔を見ていると、なんとなく、甲板で1人座ったまま寝ていたトラファルガーローのことが気になってしまった、、、。

勝手に体が動くというのか、、頭では「でしゃばったことをしない方がいい」とわかっているのに、暖かいお茶を水筒に入れて、毛布を持って外に出て、やっぱり夜明けが近づくにつれさらに冷え込みそうな空気だ。
ただ、海は静かで星がたくさん見えた。

午前4時。朝刊が届くまであと3時間くらいあるだろう。

トラオ君は、、、、いた。
昨日と同じ場所、帽子を深くかぶり、重そうな剣に寄りかかって、座って寝ていた。

ルフィは男子用の寝室(ハンモックで寝るのも大概だけど、とりあえず寒くはないはず)に誘っていたけど、トラ男くんは「ここでいい」って断り、それを強引に誘う人はいない。

だけどほんとに風邪ひいていいわけないわよね。

ロビンは持ってきた毛布をかけてあげようと数歩の距離まで近寄った------のだけど。

これ以上進みたくても、目の前のその人には隙が全くない。100パーセント起こしてしまいそう💦
そして起こしたらものすごく怒られそう、、、、


だけど、こんな時間にわざわざ起きて毛布持って外に出て、寝姿(顔は見えてない)だけ見て引き返すなんてバカみたい。
そういえば、、、麦わらの一味にはこういう親切を嫌がる人はいない。一番素直じゃないゾロでも、鼻で笑いながらも受け取ると思う。

トラオ君は、、、笑顔で受け取るわけがないわね。むやみにケンカ売ってくるタイプでもないし、、ひたすら迷惑がられそう。
ここはサっと毛布をかけて気づかれないうちに逃げようかしら。あ、能力で手だけ咲かせれば比較的気づかれにくいかも。
けどもしばれたらそれこそ私何やってるのって状況よね。
「、、、、はぁ。」
まだ何もしていないのに、既にいじめられている気分になる。

そもそも何でここまでしてトラオに毛布をかけたいのかもわからなくなってきた。極寒のパンクハザードに長期潜伏してたような人が、寒いとはいえ雪も降ってないのに簡単に風邪をひくはずがない。

やっぱり部屋に戻ろうかしら、、、

あぁだけど、お茶もせっかくいれたし、、、

何分間、トラオの外周2メートルをウロウロしただろうか。。怒らせるとわかっているのに、なぜか、どうしてもトラオ君をほっておけなかった。

そうしているうちに風が吹きはじめ、本当に寒くなった。
これは本当に毛布をかけてあげなきゃ!

強い決意で今度こそトラオに近づく。
船のヘリにもたれて座っているから、背中から毛布をかけるのは難しい。

前から攻めるしかない(コワイけど)。

息を止め、
両手で毛布の端をもち、おそるおそるローの両肩に毛布をかける。やたら長い剣も一緒に包むようにして、ついになんとか起こさずに毛布をかけた。
(やったわ!)
やっと息ができる!
はーーー!
「、、、っくしゅん!!」

、、、、、最悪。
、、、、、、。。

寒さのせいか、緊張しすぎたせいか、思いっきりトラオ君の顔の前、腕一本の距離でくしゃみをしてしまった。
しかもその拍子に毛布をバサッと翻ししてしまいたぶんトラオくんの顔に、、、当たった。
起きるわよね、確実に。

「。。。。。おい💢」
案の定、機嫌悪そうな声!
帽子の陰でよく見えないけど、私をにらんでることは確実。
「あー、、、トラオ君、おはよう。」
かるく声をかけてニコッと微笑んでみせても、トラオ君はまた帽子の陰で見えないけど、ピクリとも笑っていないことは確実。
「。。。。。💢」
帽子の陰で見えないけど、、、何も言ってこないけど、、、相当イラついていることは確実。よね。。

普段感じることのない緊張感。

ロビンがどうしていいかわからず固まっていると、ローが先に喋った。
「、、、こんな時間になんのマネだ」

予想通りの反応。こわい。

「あ、、、あなたが!外で眠っていたら寒いと思ったので毛布をもってきたの。。。」
と説明してみたものの、
「だったらサッサと置いてどっか行けよ💢、、、お前が風邪ひいたらどーすんだ!」
トラオ君はすかさず、大きな声は出してないけど荒々しく言ってから、
とため息をつきながら無造作にかけてしまった毛布をはぎとり突き返してきた。
だけど覚悟してたよりずっと、やさしい反応だった。

「これはいらねぇ。お前がかぶっとけ。おれはこのコートで十分なんだ」
「あ、、、」
毛布を受け取る時に、一瞬トラオ君の手に触れたけど、すこしも冷えてなかった。むしろ私の手のほうがかなり冷えてる。

ありがたく毛布をかぶると、さっきまで緊張して近づけなかったのがウソのように落ち着く。
ちょうどいいタイミングで雲で隠れていた月も現れて、柔らかく周りを照らした。
毛布と月の明かりが気持ちよかったのと、思っていたほどトラオ君が怒らなかったことへの安心で、つい笑顔になる。
トラオ君はその間も何もいわずに私のほうをじっと見ていたけど、目を合わせると、ぷい。と横を向いてしまった。
(あ、これ以上いたら本当に迷惑か。)
「あ、、じゃぁ私行くわね。」
「、、、それ」
立ち去ろうとしたら、小さく声がかかる。
「え?」
「暖かい飲み物なら、のみたい」
「あ」
水筒まで持ってきてたの忘れてた!
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