闇金ウシジマくん短編


□惚れた弱み
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「うーしーじーまーさぁん!」
そう言うより先に★は後ろから丑嶋に抱き付いた。
「なンだ」
丑嶋は特に驚きもせず、無表情かつぶっきらぼうに言う。
「へへ!」
何時もとだいぶん態度が違う★に疑問を抱き、後ろを向いて彼女を見る。
そこには、頬を真っ赤に染めて虚ろな瞳をした★が立っていた。
「酔ってンのか?」
「まだ、……まだひっく、いけますよぉ〜」
まだ2缶半しか飲んでいないのにベロベロになっている★に若干呆れながらも、「で、どうした」と聞くと、ニコニコと微笑みながら、「しゃがんで下さい」と要求する。
丑嶋はその意図が理解出来ぬまま、言われた通りにしゃがむ。
すると────、★が顔を近付け、優しく唇を重ね始めた。
「ッ、!」
これには、流石の丑嶋も驚いたように目を見開く。
いつも絶対と言って言々ほど自分から仕掛けない彼女が、突然キスをして来たのだから、驚くのも無理ない。
それから、しばらくして突然ガクッと丑嶋に倒れ込んで、死んだように眠り始める★。
(……クソ、明日立てねェくれーしてやる)
「覚えとけよ」
と。ボソッと呟く馨ちゃんなのでした。

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