緋色の少女

□軍人とシスター
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「アルたんっ☆」
  

「…とりあえず一回死んできたら話を聞いてあげるわ」


「人って命が一つしかないんだけどなぁ」


「それは残念ね」


いつものように出勤してみればキラキラの表情で声をかけてきたヒュウガ。誰がどう見ようと何かを企んでいるようにしか見えない
しかも彼のデスクの上には見慣れない箱が置いてある。私の考えは仮説など立てる必要もなく肯定された


何となく今まで以上に厄介ごとを企んでいる気がしてならない私は無視を決め込んだ………はずなのだが
  


「アルたーん」


「ねぇねぇ、アルたん?」


「おーい、赤髪のアルたーん」


「アヤたんのベグライターのアルたーん」


「アヤたんともうヤっちゃ、「何かな?ヒュウガ」あのねー」


外にも聞こえるような大声でいらんことを言い始めようとされれば止めないわけにはいかない


うまいこと口車に乗せられてしまった私は膝の上で固い拳を作りながらひきつる顔を懸命に笑顔へと変える。そんな私をにんまりとした笑顔を向けたヒュウガはこう告げた



「シスターになってみない?☆」


「・・・は?」



そして無理矢理身ぐるみ剥がそうとされたため自主的に着替えてしまったのだった







「……よほどお前は死にたいらしいな」


「あ、あはっ、アヤたん顔怖いよー」


今にいたる

話を聞いたアヤナミはいつもながらどこから出したのかわからない鞭を構え


バシィィン



「……スミマセン」



いつものように高らかに音を響かせた
その後


「さぁ少佐!今日は働いてもらいますよ!」


屍になったヒュウガを椅子へとくくりつけた笑顔のコナツいたとかいなかったのとか


「慣れって怖いわね」

「それだけヒュウガがバカやってるってことだよ」


アヤナミと共に事情を聞いていたクロユリは自業自得と言うようにハルセがいれたジュースを飲む。目の前で鞭打ちが執行されているにも関わらず変わらないこの緩い空気は人の順応性の万能さを教えられる

にしてもどうするか。今から着替えてくるなんて面倒だな


もういいや、と席についた私に着替えないのかとカツラギさんは聞く。それに面倒だからと本音を告げて積み上げられた書類にとりかかったのだった



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