緋色の少女

□軍人とシスター
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私はくだらない、と言った。なのに何故かあのバカの思い描いたように事が進んでしまっていた


「なんでシスターが?」


「司教様の使いでございます」



にしても人に会うたびに誰かに声をかけられるって面倒すぎるんだけど


さっさと出くわさないかとある人物の歩きそうな道を選んで歩いていると、前方からコツコツと冷ややかな音を鳴らしながらある男が歩いてきた
それに気付いた者は私から離れ全員が全員道をあけて敬礼をする。その側で私も優雅にお辞儀をした


男、アヤナミはそれが当然とでも言うようにその者達には一切目もくれずに歩いていく。なんだ、まさかの成功かと思いきやそんなわけがない

頭を上げ通りすぎようとしたその時、それを阻止するように後ろから伸びてきた手が腕を掴んだ


回りの男達はこんなところに"シスター"がいたから何か不審に思ったのだろうと当たりをつけた。だが実際は違う
それを理解しているのは当事者同士だけだろう



「……何をしている、アル」




自分の考えが間違っているなど思いもしないかのように自信たっぷりに告げられた言葉に私は肩をすくめた
ほんの少しだけ気づいてくれたことに嬉しく思いながら



「こんなくだらない事を考える人間なんて一人しかいないでしょう?」



その言葉が誰を指すのかがわからないアヤナミではない
直ぐに察したのか殺気の籠った視線をこの先にあるブラックホークの本部へと送った。先程まで敬礼していた男達が一目散に逃げるほどには怖いものを



「…とりあえず話はあのバカを始末してからだ」

「聞いても面白くないわよ」



先程まで私の頭に乗っていたウィッグを灰にし、バカに死刑執行を告げに行くアヤナミの隣を歩いた



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