緋色の少女

□第七章
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「アヤナミ様もいくわけ?」


「ああ。聞き出さなければならないことがある」




それに軽々しく頷いた数十分前の自分を恨んだ



「はっ、誰が喋るかよ。お前らは今から俺と死ぬんだよ!!」



服の中に隠されていた爆弾。そのタイマーは残り10秒をカウントしかけていた
脱出をと皆が壁を見て気づいた。ここが地下であることを

移動しようにもここに来るまでにバルスファイルをほとんど消費していたアヤナミ達は残りの力で移動することが出来ない。とりあえず爆弾さえ止まればどうにかなるためそれを部屋の外へと捨てようとする。衝撃を和らげるくらいの力は残っているから。だが、今回ばかりは男の方が一枚上手だったようだ


「残念だがこれの爆破範囲は半径100b。どうあがこうがこれから逃れることはできねぇよ」


ざまぁみろと言いたげに私達を見る男の表情はとても晴れ晴れとしていた。自分も死ぬというのに。いや、どちらにしよアヤナミに目をつけられては死以外はないためどれを選択したところであまり変わらないだろう
いつも危険と隣り合わせに生きているためか誰も焦った表情を見せない。それもそうだろう。だって私がいるのだから

チラリと私に視線を送るアヤナミ。それに「はいはい」、と了承しながらヒュウガに天井に穴を開けるよう命じた。空が見えるまで
二つ返事で了承したヒュウガを横目に私は男の爆弾をひったくる。意外と重たかったことに顔をしかめながらあまり心地よくない破壊音の現況を見上げた



「アルたんこれでオーケー?」

「うん。むしろ大きすぎ。崩れないうちに脱出しなよ」


そう言って私は姿を消した

脱出"しなよ"
その言葉にアヤナミが反応したことに気づきながらも


地上から200b離れた上空。そこで爆弾のタイマーは1を示していた。それを特に怯える様子もなく私は抱き締めた

私の力は他人を助けるようにはプログラムされていない。どうにかしろというアヤナミの視線はきっと皆を一斉に脱出させろ。そう言いたかったんだろう
でも先に言ったように私の力は他人を助けるようにはプログラムされていない。つまり私が移動させられるのはこの身だけ。そしてその身に触れる意思のないもののみなのだ

そう言えば粉々になるのは初めてだ。痛いのかな?


そして、タイマーが0になった
私から半径100b圏内が炎に包まれたのだった



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