緋色の少女

□第六章
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アヤナミの命令が出たその日から、ブラックホークのメンバーは楽しそうに目を輝かせて作戦を開始した






No.1 カツラギ




「アルさん。実は色々と作りすぎてしまって…食べていただけますか?」

「よろこんで!」


カツラギの言葉にアルは机に沢山並べられた料理やお菓子を食べていく


「本当に大佐は料理が上手ですね。でも、少し作り過ぎではないですか…?」

「え、えぇ。調子に乗って作りたいと思っていた物を片っ端から作ってしまったので…」


見た目は勿論いいものの、入ってるものは子供から大人まで苦手な人が多い食材を沢山使っている。それを、アルは嫌な顔一つせずに全て平らげてしまった


「まさか全て食べてくださるとは… アルさんは好き嫌いはないのですか?」

「んーそうですね……思い付くものは一つも。カツラギ大佐の料理は美味しすぎて手が止まらないんですよ」

「そう、ですか」


食べ物好き嫌い作戦、失敗








No.2 クロユリ&ハルセ




「わぁぁ!アル避けて!!」


何やら箱を持っていたハルセが アルの前で綺麗に転ぶ。当然、その中身は飛び出して目の前にいるアルへとまっしぐらーーと思いきや


「……ハルセ大丈夫?というよりこれ…何に使うの?」


クロユリの言葉に素早く反応し、事態を理解したアルは力を使いハルセが飛ばした段ボールをキャッチし、それを虫編みのようにして飛ばされた物を全て回収した

中にはうようよと意気の良い多種の虫達がうようよ。こんなもの何に使うのだと眉を潜めながらアルはクロユリとハルセを交互に見た


「……アルさんは虫、平気なんですね 」

「まぁね。見てて気持ちの良いものでもないけど。というよりどうしたの?これ」

「…拾った」

「はい?!」


虫作戦、失敗







No.3 コナツ




ジー

「?何?」

ジーー

「コナツ? 」

ジーーー

「いや、だから何」

ジーーーー

「はぁ…」


5分ほど前からデスクの前でずっと アルを見つめ続けるコナツ。理由を聞いても何も言わず、ただ見つめるだけの彼に アルは小さくため息を付いた後


「!!!?」

「何かご用?」


5、60pはあった距離をほんの数pに縮めて改めて聞いた


「…い、いえ。なんでも……」

「?そう」

してやったりと笑えばずっと外さなかった視線を慌てて外したコナツ。ほんのり耳が赤かったのだがそれを隠すようにすぐさま離れていったためアルがそれに気づくことはなかった


見つめ合い作戦、失敗







No.4 ヒュウガ




「 アルたーん!」

バシーンッ

「 アルたっ 」

バシーンッ

「 アル、 」

バシーンッ

「、」

バシーンッ

「なんで、それを…」

「拾った」

「んなまさかっ!」


こちょこちょ(という名のセクハラ)、失敗







その後も暗闇に連れていったり、脅かしたり、恐い話をしてみたり……
1日かけて思い付くもの全てを片っ端からやってみたものの、どれもアルは怖いだの苦手だのの反応を示さなかった。そして誰もが思ったのだ



「(本当に女の子?!)」




と。勿論生物学上正真正銘の女なのだが、そこら辺の男よりも肝が座っており、精神が安定しすぎている。皆がそう思うのも仕方のないことだろう


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