緋色の少女

□第三章
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アルたんが来てからここは少し明るくなった


特にアヤたんが





彼女を始めて見たとき、あのアヤたんでさえ目を見張った。あの赤い髪と瞳に
仕事柄赤は沢山見てきた。それを俺は何とも思ったことがない。でも、彼女の赤は綺麗だと思った。触れたいと、手を伸ばしかけた


「アルたん」

「何」

「髪触らせて☆」

「却下」

「えぇーコナツやクロたんには触らせるのにー」

「…あんたは下心丸見えなのよ」



確かにその綺麗な髪にキスしたいとか、その綺麗な髪がアルたんの白い肌に張り付いた姿を見たいとか思ってるけどさー

という一人言が近くを通ったアヤたんには聞こえていたのか鞭を打たれた。勿論、日常茶飯なため誰も気にしてはくれない
ひどいよね


彼女は気づいていないけど、アルたんは本当にアヤたんに大事にされている。いや、気づいているけどそれには裏があるのではないかと深読みをしようとしていた。的はずれなのに
多分アヤたんにはアルたんの考えるような気持ちはない。ただ側に置いておきたいと思っているだけ。何故そう思っているのかはきっと気づいているんだろうけど、それに気づかないアルたんは鈍感と言える。そんな素振りをアヤたんが見せないからというのも理由のひとつだろうけど


「ねぇ、アヤたん」

「なんだ」

「取っちゃだめ?」

「駄目だ」


何がと聞かないあたり、今のアヤたんの頭の中の何割かは彼女をしめているんだろう
しかもケチと言えばあれは私のものだと返された
見つけたのも同時だったのになとも思うが、相手がアヤたんなら仕方がない。本気になる前に自制しておくべきだろう



「そう言えば下着のサイズあってたー?」

「……ねぇ、そう言えばコナツ前に釘バット持ってたよね」

「アルさん落ち着いてください!」

「アル、僕も持ってるけど使う?」

「ありがとう」

「貸しちゃ駄目ですよ中佐!!というよりなんで持ってるんですか?!」

「コナツ。ゴミはゴミ箱に入れないと駄目でしょ?」

「クロたんって可愛い顔して毒舌だよね☆」


まぁ遊ぶのは止めないけどね?




その後、会議から帰ってきたアヤたんと大佐にシメられたのは言うまでもない。大佐も何気に可愛がってるんだよね、 アルたんのこと



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