緋色の少女

□第一章
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あぁ、面倒なことになりそうだ








そう私は目の前に立つ軍服を着た人達を見て思った。だが、だからと言ってもうどうすることも出来ない



「貴様、何者だ」



それはこちらのセリフですよ、お兄さん

という言葉を飲みこんで私は笑顔だけを返す。どうか、放っておいてくれることを願いながら。勿論それが無理なんだろうと直感していても、願うのは自由なのだから


「ヒュウガ、戻るぞ」

「りょーかい☆」


もしかしたら、という気持ちを踏みにじるかのように私を担いだヒュウガと呼ばれる男
逃げようとも思ったが、私を担ぎ上げたのとは反対の手はサーベルを掴んでいる。どうやら逃げ出すには苦労を要しそうだ

「大人しくしててねー」と言われた私はため息でそれに返答した
もし逃げたら?なんて挑発的な言葉は自制するべきなんだろう。きっと。大人しく連れていかれるのはとても癪だが我慢、我慢






そうして、私はなんともあっさりと人拐いにあったのだった






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