歌の翼
□壁ドン
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いやーな予感がするのは気のせいかなぁ…?
なんて思いながら料理本の方に視線を戻す
…よし、今日は時間も結構あるしピザにしよう!
そう思い冷蔵庫の中を確認しようと開きかけたとき
バタンッ!
「へ?」
それは何かによって勢いよく閉められる
影の中に入った私は不思議に思いながら首を上に上げると、目の前には黒鋼さんの顔が
私が少し背伸びをするか、黒鋼さんが体を屈めるかをすればキスできる距離だろう
「顔赤くして何考えてんだ、小娘」
「へっ!?//」
少し想像してしまったことに私は恥ずかしくなり、黒鋼さんから離れようとするが横は壁。反対側と後ろは黒鋼さん、そして前は冷蔵庫と逃げ場がない
「…ほぉー、角でやると逃場がなくなんのか」
ニヤリと口角を上げ、黒鋼さんは距離を縮めてくる
――…む、無理!//
「ぐはっ…――」
私はこのシチュエーションに耐えられなくなり、思わず黒鋼さんのみぞおちに拳を入れて脱出した
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