歌の翼

□王様ゲーム
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とある世界での出来事――








「ねぇみんな、王様ゲームしよう♪」








このモコナの言葉が事の発端だった




「「「「「王様ゲーム?」」」」」




夜、この世界で借りた家のリビングでモコナの言葉に私以外の人間が首を傾げた。黒鋼さんと哉汰にいたっては怪訝そうに眉を潜めてる。どう考えても名前からして良からぬことだろうと察したからだろう

というより私のせいでもあるかもしれないけど

ゲームと言えば真っ先にやる!と答える私が賛成するどころか顔をひきつらせているから


「王様ゲームって言うのはねーこれを引いて命令して、従うんだよ♪」

「「小娘/姫宮説明」」



説明を求めたのにも関わらずやりたくて仕方ないのかモコナはとてつもなくあっさりと説明を完結させ、早くしよう!とどこから持ってきたのか7本の割り箸をもって机で回っている
そんなモコナの説明が分かるはずもなく、皆が一斉に私を見た


王様ゲーム、かぁ…


嫌、というか黒歴史しかないこの王様ゲームはゲームであっても私は乗り気になれなかった。だからどうか皆反対してくれることを願いながら簡素に説明を纏める


「モコナが持ってる1〜6の数字が書かれた割り箸を皆で一斉に引いて、何も書いてない…「王冠書いちゃったてへっ♪」…王冠の書かれた割り箸を引いた人が王様になるんです。で、その王様はその回につき1回だけ好きなことを命令出来ます。例えば"1番は物真似をしろ"と言った感じですね。書かれた番号は自分以外には見せないようにしてください。そうしないと名指しで命令してるような感じになってしまいますからね」

「飲み会とか男女が混じった中でするのが面白いんだよー」


というモコナの言葉に黒鋼さん、哉汰、ファイさんはこのゲームでどういう命令が一般的になされるのかわかったのか少し意味ありげに頷いた。特にファイさんは何だか楽しそうだ

小狼とさくらもなるほど、や面白そうだねとやる気満々だ


やっぱりやることになるんだよねー…


モコナ同様乗り気になった皆の表情を見て私は小さくため息をついた



どうか変なお題が出ませんように



と願いながら




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