歌の翼

□セレス国
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ここに来る前から止まない頭痛
その理由はわかっていた

あの人の魔力は膨大なもの。それがこの短期間で私に移された。移されることには痛みはない。ただ寝てる事が多くなるだけ。何故ならその行為は睡眠中に行われるから。痛みの原因はまだ移されて間もないこの魔力に、私の体は戸惑っているから。早く体に定着しようとするあまり、体に負担をかけている…んだと思う。あの人の記憶から大方の魔法の知識は受け継がれている。だから、それなりに信じられる仮説のはず

でも、今はそんなことどうでもいい。それよりも、あの瞬間までに魔力が馴染むかどうかが心配だった。さすがにこのままでは最大限の力を発揮することはできないはず

お願いだから、それまでには終わって…その為ならどんな頭痛にも耐えて見せるから

そう自分の体に頼みながら私は黒鋼の好意に甘えていた
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