歌の翼

□東京U
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「黒鋼さん!ファイさん!歌羽ちゃん!哉汰!モコちゃん!小狼君!!」

球体に閉じ込められているさくらはその壁をどんどんと叩きながら目に涙を浮かべ、叫んでいる

「俺はおまえの右目を通してずっと見てきた。お前が出逢った出来事や人達を。あのさくらを一番大切だと思ったのは『俺の心』じゃない!お前だろう!!」

守ると約束し、見守ってきた二人

そんな二人が何故涙をながしている?怪我をしてる?
意味がわからない

それに、"あの"ってなんだよ…!
頼むから、誰か説明してくれ

俺は無意識に姫宮を抱き締める力を強めた

小狼と『小狼』が同じ体術を使い戦う
それに黒鋼も加戦しようとモコナに緋炎を出すように叫んだ。でも、それはファイの魔法を使う小狼に取られてしまい、戦いは激しくなる

小狼の炎が『小狼』に襲いかかる。でも、『小狼』だけじゃない。その場にいる黒鋼やファイ、俺達のいる場所にも影響を与えた

「ん‥くろ、がね、ファ、イ……!!」

回りの音でやっと目が覚めたのか。姫宮は二人を呼んだと思った時には俺の腕にはいなく

ザンッ

「二人とも大丈夫!?」

黒鋼とファイに襲いかかる炎を剣で切り裂いた

見事な剣裁き
でも、関心している場合じゃない

「っ、あのバカッ!」

小狼同士の戦いに今にも加戦しそうな姫宮の元へ急ぐ

「どっちも守らないと…!」

「!?おい!小娘!!」

グイッ

どうにか間に合ったらしく、俺は姫宮の腕を掴み、今しようとしていることを阻止する

「!哉汰、放して!」

姫宮はそう叫ぶが俺はそんなことは聞き入れず、さらに掴む力を強めた
それでも放せと訴える姫宮。目には涙を貯めて

「早く止めなきゃ二人とも!「そんなことして怪我したら、傷つくのはお前だけじゃないだろ!」っ、でも‥!」

「少し冷静になれ」

自分にも言い聞かせるように俺は姫宮に言った

「っ……ごめん、こうなる前に収拾つけなきゃだめだったのに…!ボソッ」

俺の言葉を聞き入れてくれたらしく、訴えるのはやめ、代わりに自分の手を強く握り締めた
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