歌の翼
□ピッフルワールドU
2ページ/17ページ
着替えが終わり、知世ちゃん自信がさくらの敬語を直した後、話は本題へと入った
「申し訳ありません。結局誰が不正を働いたのか本選までに探し出せなくて」
「知世ちゃんのせいじゃないよ」
「この本選にも仕掛けてくるかもしれません。警備体制は万全を期していますが、それでも何が起こるか分かりません
気をつけくださいね」
知世ちゃんは私とさくらの手を握り、私達皆に忠告を投げ掛ける
「…誰が何しでかそうが勝ちゃあいいんだろ」
「だねぇ」
「はい」
「ま、どうにかなんだろ」
「頑張る」
「はーい」
皆はそれぞれ頼もしい返事を返す
そして私達は抽選をしに行った
「あまり、ご無理なさらないでくださいね」
その行き間際、知世ちゃんが私にだけ耳打ちしてくる。それもとても心配そうな顔で
知世姫が余計なこと言ったのかな…(苦笑)
「大丈夫だよ。でも、できるだけ私には近づかないようにあの人達に言っといてくれる?自分のことで精一杯で他の人を守れる自信はないから」
「…わかりましたわ」
不服そうにしながらも知世ちゃんは了承してくれる。私は知世ちゃんにお礼を言って皆の後を追った
「本当にあの人の言った通りのお方ですわね。違う人のはずなのに…」
知世ちゃんの言葉は誰の耳にも届くことはなく、会場の歓声の中へと消えていった