歌の翼

□桜都国V
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日も完全に落ち、客足が減っていき、店内は鬼児狩りメンバーの貸切状態になっていた

「はあ〜〜もう本当に、何でこんなに美味しいのかな。何個でも食べちゃうよこののケーキ」

カウンター席で頬に手をあてながら幸せそうに言う譲刃さん。
こう言ってくれると、作りがいがあるなー
そんな譲刃さんを照れ笑い気味に見ていた

「ねぇねぇ、黒いにゃんこさんはあれ、弾けるんですか?ちっこいにゃんこさんは弾けないって言ってましたけど」

そう言いながら店の中で存在感のあるグランドピアノを指差しながら、とうとつに譲刃さんは聞いてきた

「簡単なものなら弾けますよ」

「そうなの!?」

私が譲刃さんにそう返すと、話を聞いていたらしく、キラッキラの笑顔で私を見るさくら

「う、うん」

そんなさくらのキラキラ笑顔に攻め寄られながらも私は肯定すると、数名が目を輝かせながら私を見た

い、嫌な予感が…

「「聞きたい!!」」

やっぱりそうなりますよねー!
私は内心苦笑いする

ファイさんやモコナなら確実に断ってたけど、相手はさくらと譲葉さん。断るに断れない

「本当に簡単なものしか弾けないですからね?」

そうことわりながら、私はピアノの前に座った

久しぶりだなーピアノ触るの
…優とよく練習したっけ 。私はピアノよりも歌ってことの方が多かったっけど

そんな思いでに浸っていると、会いたいという気持ちが積もってくる。でも―――
私の中に、始めはなかった新たな思いが芽生えていた

よくばりだな
そんな自分に内心苦笑いしつつ弾き始める

優と二人でコンクールに出たときに演奏した歌を
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