歌の翼

□スピリットT
2ページ/17ページ

あ、なるほど
私は目の前でおこってることをみて納得していた

「お嬢ちゃんのカードは?」

「えっと、こうなりました」

おじさんに言われ、自分の持ち札を見せるさくら。そのカードは全て同じもの。つまりさくらの勝ち

「すごい…」

だって何度やっても負けないんだもん。おじさんがイカサマじゃないのかって疑う気持ちもわかる

「んーでももう少し集まるとありがたいんだけどねー」

「そうだな」

ファイさんと哉汰が横で何やら話している

「どうかしたんですか?」

「いや、もう少し金がある方がいいんじゃねぇかって話しだ」

「でもあの人達とのゲーム終わっちゃったしねぇ」

ファイさんはさくらを席へエスコートしながら言う

「あの、足りないんですか?」

「ううんーそう言うことじゃないんだけど、もう少しあった方が安心かなーって」

まぁお金は沢山あるにこしたことはないもんね

「で、どうすんだ?違うやつに相手してもらうか?」

「そうだねぇ…」

んーなんか方法ないかな?バイトとかなら確実に稼げるけど、時間かかるだろうし…

「はーい、みなさん注目してくださーい」

ん?何だろ…イベント?

私は一度思考を停止して店の真ん中に立ち、大きな声で叫んでるお店の人を見た

回りの人達は何が始まるのか知ってるみたいで、「お、いよいよか」とか言ってる

あれ?

「ねぇ、小狼、哉汰とファイさん何してるの?」

テーブルから離れて、知らない人と話してる二人のことを小狼に聞いた

「今から何が始まるのか聞いてるみたいです」

「あ、なるほど」

そう言いながら二人を見ているとバチッと哉汰と目があった。目をそらすのはあれだから何もせず見ていると哉汰は私を指差しながらファイさんと何やら話始め、終わったと思ったら二人そろって私を見て意味ありげに笑いながら私を手招きした。

え、何?

「おい、呼ばれてんぞ」

行こうとしない私に黒鋼さんが言う

「…私ですか?」

「どう見てもおめぇだろ」

「で、ですよね」

私は渋々二人の方へ向かう

「えっと、どうしたんですか?」

「お前にしてほしいことがあるんだ」

「してほしいこと?」

「うん。歌羽ちゃんしかできないことなんだ。お願いできる?」

そう言われると断わりずらい…

「…どんなことですか?」

「あのね―――――」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ