歌の翼
□大きな湖のある国
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「で、どこなんだここは」
着いた早々黒鋼さんは疑問を口にした
「どこでしょう?」
「お前、人の質問を質問で返すなよ」
「だってわかんないだもん」
私の言葉にため息をつく哉汰
うん、なんか腹立つから無視しよう
「それにしても、おっきい湖ですねー」
「そうだねー家とかも全然見えないし」
「人の気配もないみたいですね」
しかも霧まで出ててるし
「モコナどう?さくらちゃんの羽根の気配するー?」
「強い力は感じる。」
「どこから感じる?」
「この中」
小狼の質問にモコナは湖を指差した
「潜って探せってのかよ」
「冷たそう…」
「そういう問題じゃないだろ…」
また私の言葉にため息をついてる哉汰。
そんな何回もため息つかなくてもいいと思うんですけど!
そういえば確かこの国って羽根なかったような…でも強い力ってなんだっけ?んーまぁこの国で誰かが怪我するとかはなかっただろうし、そのうち思い出すかな
「待って、私が行きま…………す」
「おっと」
そういいながらさくらふら〜と倒れ、それを黒鋼さんが受け止めた
「さくら寝てるー」
「春香の所では頑張ってずっと起きてたからな。限界がきたんだろ」
哉汰は心配そうにさくらを見てる小狼の肩に手を置きながら言った。でもその顔は小狼同様心配そうな表情をしていた――