歌の翼
□蓮姫の町U
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「いやだ!私も領主の所へ行く!」
春香は駄目だと言う小狼達に一生懸命訴えていた。そして私春香と同じように哉汰と言い合っていた。
「私もついていく!」
「駄目だ!」
「なんで駄目なのよ!」
「だから怪我してるからって言ってるだろ!」
「別に痛くないから大丈夫だって!」
「大丈夫じゃねぇだろ!」
「大丈夫だもん!」
さっきからこの言い合い続いている。
「あははーこっちも困ったねー」
「黒鋼とファイもこいつ説得するの手伝ってくれ!」
「ファイさん!黒鋼さん!良いですよね!?」
「「駄目だ(よー)」」
二人に同意を求めたが、こちらも駄目みたいだ。
「駄目です。ここでさくら姫と歌羽さんと待っていて下さい」
「えっ私も!?」
春香だけに言ってるんじゃないの!?
「だそうだ。お前は大人しくさくら達とここで待ってろ」
私の頭にポンポンと軽く叩いき、城に向かって歩く小狼の後ろをファイさんと黒鋼さんと一緒に追いかけた。
「はぁー本当に大丈夫なのに…」
ちょっとは痛むけど…それに皆が怪我するのを回避したかったのに。
というより哉汰絶対子供扱いしてるよね、私のこと。いや、皆か
「私が子供でたいした秘術も使えなかて…足でまといだからか」
横では春香が目に涙をためながら悔しそうに呟く。そんな春香を優しく抱きしめ、さくらは「…違うと思う」と春香の言うことを否定した。
「春香、春香には皆に出来ないことがきっとある。それが何か考えよう。」
ここで待ってろと言われて大人しく待ってるほど、私は偉くないんだよね。まず行動する前に次に何が起こるのかを思い出さないと。