歌の翼

□ふたつめの物語
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「四月一日」

「は、はいっ!」

「宝物庫に行って来て 取って来て欲しいものがあるの」

「はい あの、何を…持ってくれば」

「マルとモロが知ってるわ」

侑子さんの言葉を合図にマルとモロは四月一日を引っ張っていった。

その時に四月一日が私をチラッと見た。多分一緒についてきてという合図なんだろうけど、私は侑子さんに四月一日と一緒に行く様に言われなかったので四月一日に小さく手を振り、見送った。

その時の四月一日の残念そうな顔があまりにも面白すぎて吹き出しそうになるのを私はけんめいにこらえたことを四月一日は知らないだろう…

「その子を助けたい?」

「「はい!」」

「対価がいるわ それでも?」

「勿論だ!」
「俺にできることなら!」

この二人には本当に大切な存在なんだね。さくらは
私にとって、皆が大切なように…
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