歌の翼

□ふたつめの物語
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サァァァ

「…待っていたのよ貴方達を。同じではないけれど違う世界で生きる貴方達を。」

そう言って侑子さんは目の前にいる三人に言い、その横で四月一日は目を大きく開いて驚いていた。

「な…なんで急に空から人が…!?」

「四月一日、驚く気持ちはわかるけど少し黙ってようね。あとで侑子さんが詳しく教えてくれるだろうから。コソッ」

私は叫ぶ四月一日に近づき耳打ちをして黙らせた。

「あんたにすべて話せと言われた!」

「ここに来れば姫を さくらを救う手だてを…!」

そう言って二人の少年は侑子さんに訴えた。

「この子の名はさくらというのね。」

「はい」

「貴方達は?」

そう言って優子さんはまずさくらという少女を抱いている少年を見た。

「小狼です」

そして次に二人を守るように立っている少年を見た

「哉汰だ」

すっ

二人の名を聞くと侑子さんはさくらの額に触れ言った。

「この子は大切なものをなくしたのね」

「…はい」

「そして…それは色んな世界に飛び散ってしまった。このまはまではこの子は死ぬわ」

その言葉に小狼ほさくらをぎゅっと抱き締め、哉汰は自分の手を握りしめさくらを見詰めた。
私はそんな二人を見て、無意識に手を握り締めた。
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