歌の翼
□桜都国T
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紹介された家の一階
ひとまず今日の夜は皆で過ごすことになり、置いてあるソファーに寝るさくらの回りに集まって座る
それぞれ好きなように過ごし、沈黙が続く中でそれを意外な黒鋼が破った
「くつろいでていいのかよ。見張られてるかもしれねぇんだろ。誰かに」
ピクッ
何故かぐったりしている姫宮…ってこれはどう考えてもお姫様抱っこしようとするファイに抵抗してたからなんだろうが…まぁそれはいいとして、そんな姫宮が黒鋼の言葉に反応した
それに気づいたのは俺だけじゃないだろうが、誰もそれにはふれなかった
…多分姫宮のことを気遣ったんだろう。それもそうだ、ふれれば確実にあの時の、殺されかけた時のことを思い出させる。姫宮自信は何も言わないが、殺されかけたんだから怖くなかったはずがない。だから今は誰も聞かない。今は、だけどな
「んーでもずーっと緊張してるのは無理だしねぇ。リラックス出来るときにしとかないとーね、歌羽ちゃん」
「!!(良かった。あの時のこと聞かれなくて)…そうですよね!ずーっと眉間にしわ寄せてるとしわ増えますよ?黒鋼さん」
床でだらぁーんとするファイに話をふられた##NAME 2##は一瞬安堵の表情を浮かべた後、いたずらっぽく笑いながら黒鋼に攻撃を仕掛けた
「お前らはだらけっぱなしじゃねぇか!んで、余計なお世話だ!!」
まぁそれにもちろん怒る黒鋼に
「うるせーぞ、黒鋼」
俺は最後にとどめをさした
さっき言えなかったからな
よりいっそう眉間にしわを寄せながら「お前らな…」と言ってる黒鋼はおいといて
「どうだ?モコナ」
俺はこの国に羽根があるかどうかモコナに聞いた
「本当に少しだけど、さくらの羽根の力感じる。羽根、この国にある」
そうモコナが言い、俺が小狼と顔を見合わせて頷きあっていた時
ガシャーンという音ともに窓が割れた