歌の翼

□桜都国T
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哉汰side

スースー

「まじで寝やがった…こいつ」

狸寝入りでもするんだろうと思っていたら、寝ると言ってから10秒もしないうちに寝息をたて始めた姫宮
1つ隣に座ってる黒鋼も俺と同じく「まじかよ…」と呆れた顔をしていた

「…おい、ガキ」

そう黒鋼が呼ぶ
俺の顔を見ながら言ったからその『ガキ』というのは俺のことだろうが…もう少し他の言い方なかったのかよ
まぁ別にいいんだが

「なんだ?」

そう聞き返すと黒鋼は寝てる姫宮を見ながら言った

「さっきの、どう思う」

「さっきってのは小狼とこ行かなかった理由か?」

「あぁ」

「どう考えても嘘だろうな」

俺はそう言い切る
何故そう言い切れるか、それは姫宮は嘘をつくときに相手を見ずに宙を見るという癖があるから。勿論誤魔化す時もだ。これは最近気づいたんだけど…

皆が皆、この癖に気がついてるかどうかはわからないが……まぁ姫宮の場合、この癖がなくても大体はわかる
でもなんと言うか、ほんとに嘘が下手なやつだ。ありがたいっちゃありがたいんだが、もう少し上手くつけないのかと思ってくる
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