歌の翼
□大きな湖のある国
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哉汰side
「霧、濃くなってきたねぇ」
「うん、暗いね」
「かなり遠くまで来たけど誰にも会わないねぇ。民家もないし」
「怖いな、怖いな」
「大丈夫だよ。側にいるから」
や、やばい…もう無理…
「黒鋼嬉しい」
「ぶっははは!」
「誰が黒鋼だー!お前はモコナだろ!んで、おめぇも笑うな!」
黒鋼は俺にも怒りの矛先を向けた
でも
「ここで…笑わない…やつは…いない…だろククッ」
やべーめっちゃ腹いてー
「哉汰、すっごく笑ってるー!」
腹を抱えて笑っている俺の頭の上でくるくる回りながらモコナは言う
「あー腹いてーモコナ、お前声マネ上手いな」
「モコナ108つの秘密技のひとつなの」
「後107つは?」
そう聞くファイの手の上にモコナは飛びうつり
「な、い、しょ」
と語尾にハートマークをつけながらいう
ファイが「モコナったら焦らし上手ー」とか言いながらモコナに頬擦りしている
「一生やってろ」
そんな二人(?)に黒鋼は吐き捨て、ひとりずんずんと進んで行く