nagi

□酒場@シンver(ナギ×主人公恋人前設定)
1ページ/6ページ

「じゃあてめぇら、各自用が済んだら酒場に集合だ!」











あのスケベ…もとい船長はいつものようにいつもの台詞を宣言する。
真っ昼間から女の腰なんか抱い…ん?尻か。女の尻なんかさすって、何を考えているんだか。きっと明日の朝には自分の腰をさすりながら「振り過ぎた。」なんてふざけた事を言って、ドクターに絞られるんだろうな。



──…まあ俺には全く関係無いな。とりあえず武器屋と換金所に向かうか。


そう思い脚を進めると、




──…ん?


沈んだ顔の○○が視界の隅に映った。○○は俺の視線には全く気付かず、一つ溜め息をついて頬を両手で包み、「よしっ。」と小さく呟くと、笑顔を貼り付けて買い出しの準備をしているナギのもとに駆け寄っていった。


──何だ?



○○の何とも辛そうな顔が気にはなったが、ナギがいればまず大丈夫だろうと、俺はそのまま町へと向かった。








「ちっ、手間取らせやがって。」


──思いの外換金所の親父に手間取ったな。まぁおかげで良い値になったが。

予定より遅れた事もあり、空はすでに暗く、風は夜の冷たさを纏っていた。


カランカラン…


酒場の扉を開けると中にはすでに出来上がり女共に囲まれたセクハラおや…船長と天然たらしドクター、少し離れたテーブルに単細胞馬鹿と使えない見習い、無愛想コックとチンチクリンが揃っていた。

「よう、シン。どうだった?良い値が付いたか?」
「そうですね。俺が優しく説き伏せたら、嬉し泣きしながら良い値を付けてくれましたよ 。」
「ははっ!お前が優しく?そいつは面白ぇ冗談だなぁ!」



そんな会話をしながら性犯…船長たちのテーブルの席に着いた。

「お兄さんとっても綺麗ね。」

席に着いた早々香水臭い女がしなだれかかってきやがった。いつもの事だが鬱陶しい。まあ俺の容姿じゃあ仕方ないが。

女が注いだ酒を飲みながら変た…船長と今後の航路についてや、先程仕入れてきた情報について話しをする。ふと、持ち上げたグラスの褐色を透かして見ると、席を立つ○○の姿が映った。店の奥に向かって行く。なんだトイレか。○○が座っていた席に視線を戻すと、○○の後ろ姿を穴があきそうなくらい見つめるナギの姿が。見えなくなると今度は、○○が座っていた場所を見つめていやがる。そんなに気になるならさっさと追い掛ければいいし、ついでに自分の気持ちを伝えればいいものを。

なんとなくいたずら心が湧いた俺は香水女を振り払い、ナギに意味深な視線を向けてから○○の後を追った。背後から焦げ付きそうな視線を感じながら…
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ