短編集01

□ずっと一緒に
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おかしい…



何がおかしいって、今の私のこの状況…



『あのー…玲奈さん?

そろそろ離してもらえませんかねー?』



今日の玲奈さんは何かおかしい…



今だって自分の膝に私を乗せて、何事もなかったかのように一人黙々とゲームをしている



事は数分前…



私はいつも通り楽屋で茉夏やちゅりちゃん達とはしゃいでいた…



-数分前(楽屋)



茉「あれ?

名前ちゃんちょっと身長伸びたんじゃない?」



ち「ほんとだ

前まで私の事も若干見上げながら話してたのに、今目線変わらないもんねー」



『えーそう?

自分ではわかんないや』



茉「ちょっとそこで二人並んでみなよ」



そう言われてちゅりちゃんと背中合わせに立つ



茉「やっぱりちょっと伸びてるよー

だって今明音ちゃんと変わんないもん」



茉夏の言葉に喜んでると、隣でちゅりちゃんが



ち「つい最近まで私より小さかったのにー

成長期って恐ろしいねー」



そんな事をしみじみ言うから、可笑しくなって吹き出してしまった



『ぁははっ

ちゅりちゃん年寄りくさーい

けど、ちゅりちゃんはもう成長止まってるもんねー』



ち「失礼な

この前測ったらちょっとだけ伸びてたしっ」



茉「それはたまたまでしょ?

成長とはまた別じゃない?」



『成長するのは20歳までだって、ちゅりちゃんこの前自分で言ってたじゃん』



ち「あーもぅ

うるさいうるさいっ

どうせ私は成長期なんかとっくに終わってますよー」



『ぁははっ

ちゅりちゃんがグレたー』



なんてキャッキャキャッキャしてたら、それまでずっと楽屋の隅でゲームをしていた玲奈さんに呼ばれた



ち「名前、玲奈さんが呼んでるよ?」



『ほんとだっ

ちょっと行ってくるねー』



そう言って二人に手を振って、玲奈さんの所に行った



『お久しぶりですっ

玲奈さんが私の事呼ぶなんて珍しいですね

何かありましたか?』



そう言うと急にグッと腕を引かれ、バランスを崩してしまい玲奈さんの膝に座る形になった



『すいませんっ

すぐにどきます!』



そう言って立ち上がろうとすると、お腹に腕を回された



『……あの、玲奈さん?

離してもらえないとどけないんですが…』



と遠慮がちに言ってみたけど、玲奈さんはそのまま何食わぬ顔でゲームを始めてしまった



訳が分からなくて助けを求めようと、茉夏達の方を見る



だが二人はにやにやとこっちを見るだけで、私はさらに訳が分からなくなってきた
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