短編集01

□会えない時間が
1ページ/4ページ



『あ、電話だ…』


講義中に携帯が小さく震え、着信を知らせる


『あと5分だしとりあえずメールだけ送っとこ』


着信を寄越した相手にメールを送り講義に集中した


講義が終わる頃を見計らって再び携帯が震える


『もしもーし


さっきは電話出れなくてごめんね?』


珠「大学の講義中だったんでしょ?


なら仕方ないよっ!」


先程からの電話は珠理奈からのものだった


『それより、急に電話掛けて来るなんてどうかしたの?』


珠「んー


別にどうもしないよー?


ただ単に名前ちゃんの声が聞きたくなっただけー」


と応える珠理奈にふふっと小さく笑う名前


『今日は朝から番組の収録でしょ?


今は休憩中なの?』


珠「そうだよー


もうそろそろ休憩終わるけどね」


珠理奈はSKE48という名古屋を代表するアイドルグループのメンバーなのだ


そして名前の恋人だったりもする


そっかーと短く返すと遠くの方でスタッフさんと思われる人の声が聞こえてきた


珠「ごめんね、


あたしそろそろ行かなくちゃ」


『ん、そっか


楽しんでおいで』


珠「ありがとっ


ね、夜にまた電話していい?」


『いいよー


それより早く行かないとまた玲奈ちゃんに怒られるよー?』


珠「うわっそれはヤダっ!


じゃね、また後でねっ!


バイバーイ」


バイバーイと返すとすぐに切れた


それにしても珠理奈が電話掛けて来るなんて珍しい事もあるもんだ…なんて考えながら次の講義が行われる教室へ歩いて行った
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ