短編集02
□君だから
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優「ふぁー……」
優香ちゃんの欠伸で時計を見ると、既に日付が変わってから2時間程経ってしまっていた
『お…もうこんな時間か……
そろそろ寝よっか？』
優「そうだね
って言うか、起きてるの私達だけじゃん」
『ホントだ……
どうりで静かな訳だ……』
玲奈はもう早い段階で私の膝を枕に寝てしまったのは知ってたけど、他の子はいつ寝たのか分からない
『とりあえず玲奈だけ寝室に運んで来る』
優「了解
ならこの辺適当に片付けとくね」
『うん、ありがとう』
優香ちゃんにお礼を言って、玲奈を抱き抱えて寝室に運ぶ
『……ホント可愛いなー』
ベットに寝かせて布団を掛けた後、少しの間玲奈を見つめる
『…そうだ、優香ちゃん達の布団……』
我に返ってそっと寝室を後にして、優香ちゃん達の布団を出しにリビングに戻った
-数分後
珠理奈ちゃん、明音ちゃん、ゆりあちゃんを順番に布団に運んで腕がパンパンだ……
優「お疲れさん」
『んー、見てるなら手伝ってくれたら良かったのに』
ポンと肩に手を置いてそう言った優香ちゃんを緩く睨んでそう言うと、爽やかに微笑んで"私には無理"って言われた
『はぁ……もういいや
それより、優香ちゃんも早く寝なよ？』
優「うん
今日はありがとね」
『ううん、こっちこそありがとう
私いっつも帰り遅くて、玲奈に寂しい想いさせちゃってるから……
みんなが来てくれて良かった
迷惑じゃなければ、また来てあげてよ』
優「名前ってさ、本当に玲奈の事好きだよね
全然迷惑じゃないから、また来るよ
たまには名前にも会いたいしね」
『たまにかよっ』
そう言って二人で笑った後、お互いに"おやすみ"を言って私はリビングを後にした
-寝室-
そっとベットに潜り込んで、玲奈の隣に横になる
玲「ごめん……
私先に寝ちゃってた」
『ううん、そんなの気にしなくていいよ
まだ眠いでしょ？
寝ていいよ』
玲「ねぇ名前ちゃん……」
『ん、何？』
玲「好き……」
『どうしたの？』
いきなりそんな事を言う玲奈に、驚くよりも不思議に思う気持ちの方が大きかった
玲「……名前ちゃんは？
…私の事……好き？」
『好きだよ
当たり前じゃん』
どうしてそんな事を聞いたのか分からないけど、聞かれたからにはちゃんと答える
玲「ねぇ名前ちゃん、約束して？
好きなのは私だけだって、今ここで誓って？」
さっきまで眠そうにしてたのに、じっと私の目を見つめて真剣な面持ちでそんな事を言ってきた
『玲奈……？
どうしたの？
私、何か玲奈の事不安にさせちゃったかな？』
玲奈がこんな事言った事なんて今まで一度だってなかったから、何か不安にさせてしまったのかと心配になる
玲「違うの……
名前ちゃんのお陰で、私毎日幸せだよ？
でもね、幸せだから不安になるの……
いつか名前ちゃんが居なくなっちゃうんじゃないかとか考えちゃうの……」
『バカだな……
私はどこにも行かない
ずっとずっと、玲奈の傍に居るよ
……愛してるから』
そう言って布団の中で玲奈の手を探り当てて、そっと握る
玲「ありがとう」
『好きだよ』
玲「うん……
私も好きだよ……」
そう言ってくれたけど、徐々に玲奈の瞼が落ちて行く
安心したからかな？
暫く見つめてると、玲奈から規則正しい寝息が聞こえてきた
『ふふっ……
プニプニだ……』
こっちを向いてすやすやと眠る玲奈のほっぺをツンツンすると、"んー"って玲奈が寝返りを打ってしまった
『……玲奈ー』
暫く待っても戻って来なかったから、少し寂しくなって思わず玲奈を呼んだ
玲「ん……？
名前ちゃんどうしたの？」
眠そうに目を擦りながらも、ちゃんとこっちを向いてくれる
『玲奈がそっち向いて寝るから寂しかったんだよ……』
正直にそう言うと、ふわって微笑んで抱き締めて髪を優しく撫でてくれた
玲「甘えただー……」
眠いのか呂律が回ってないし、目も開いてない
『眠い？』
玲「うん……」
『寝てもいいよ？』
玲「……名前ちゃんも一緒じゃなきゃヤダ」
『大丈夫……
私も一緒に寝るよ』
私がそう言うと、玲奈は安心した様に微笑んだ
玲「……おやすみ名前ちゃん」
『おやすみ玲奈……愛してるよ』
玲「うん……私も愛してる」
そう言って眠りに落ちた玲奈に、そっとキスして私も目を閉じた
付き合ってもうすぐ5年…一緒に住む様になって3年……
これまで喧嘩をした事がないのも、相手が玲奈だったからなんだと思う
玲奈を見てると、喧嘩なんてしてる時間が勿体ないとさえ思えてくる
玲奈は凄く可愛いくて、甘えたで、人見知りで、強がりで、負けず嫌いで、そのくせ泣き虫で……
大切にしたいし、ずっと傍に居て守ってあげたくなる
でもそれだけじゃなくて、自分のビジョンとかはしっかり持ってるし、ちゃんと芯がある子だ
そんな玲奈だからこそ惹かれたんだと思う
玲奈の好きな所を話し出せばキリがない
それくらい玲奈が好きだし、一緒に居れば居る程彼女の魅力に気付かされる
これからもずっと好きだし、喧嘩もしない自信がある
そう思えるのは全部が全部、玲奈とだからなんだよ
この想い、ちゃんと玲奈に伝わってるかな？