赤い涙**

□X
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葬儀屋を後にしたレイラ達は、先程のアンダーテイカーとの話をまとめ、犯人の特定の為に話し合っていた




「さっきの話で、ある程度までは絞れたわね」

「そうですね…まず、「医学、解剖学に精通する者」その中で「事件発覚前夜にアリバイのない者」そして臓器などを持ち去っている事から儀式性…「秘密結社や黒魔術に関わる者」も挙げられます」


セバスチャンが絞り出した例をあげた。
それを聞いてピクリと眉を寄せるレイラ。

一瞬だが感じた違和感
だがそれはすぐに疑問に変わり、レイラは1人思考を巡らせる



(医学、解剖学に精通する者…か)

「ちょっと…どこが絞れてんのよ。このシーズンに一体どれだけの人がロンドンに集まってると思ってんの?

ロンドンの医者だけじゃなくて貴族が地方から連れてきた主治医もいんのよ?ついでに医者になってない医大卒業生だっているし…ラウみたいに針を使う渡来人だって人体には詳しいわ。」

最もな意見を述べるマダムレッド
条件を満たす人間は、ここロンドンだけといってもその数は星の数といっても過言ではないだろう


「それにあと一週間もしないうちにシーズンが終わって主治医は地方に戻ってしまーーーー」

マダムレッドの言葉を遮るようにして、セバスチャンが口を開く


「では、それまでに調べればよいのです」

どこか自信を感じさせるセバスチャンの言葉に、ラウがありえないといった表情を浮かべる


「なんだって…?」

「シーズンが終わる前に全ての人数を尋ね、アリバイを確認すれば済む話です」

「確認すれば済むって…まだ正確な数も絞れてないのよ!?」

納得のいってないらしいマダムレッドはまだセバスチャンに問いかけ続けた



「お任せください

ファントムハイヴ家の執事たる者、それくらいできなくてどうします?」


セバスチャンがキッパリとそう言い切ると、マダムレッドやラウはぽかーんと口を開けて呆然としていた



「へえ…随分と優秀なのね。セバスチャンは」

興味深そうにセバスチャンを見つめるレイラ。
シエルは当然だ、と言わんばかりに微笑んでいる


「シャル、やることはわかっているわよね?」

隣に佇むシャルロットに目配せすると、いつものごとく「もちろんです」と答えが返ってくる





「それではみなさん。私は少々やる事がございますので、失礼します。」

「え!?ちょっとどこに行くのよシャルロット!!」

マダムレッドが馬車を出ようとするシャルロットを止める



「少々調べごとがありまして。どうか主人をよろしくお願いします」

にっこりとその美しい顔に笑顔を咲かせながら、シャルロットは頭を下げた。

「余計なことはいいからさっさと行け」とレイラに急かされ、シャルロットは躊躇いもなく馬車の扉を開けた




「グレルさん、事故のないように運転なさってくださいね。」

馬車を運転するグレルに声をかけ、彼の返事を待たずしてシャルロットはどこかへ消えていった。
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