赤い涙**
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それから半刻後
予定の時間通りにファントムハイヴ邸に到着したクレイトン家の馬車は。ゆっくりとスピードを落とし、止まった。
扉が開かれると、中からシャルロットが降り、それに続いて手を引かれ、レイラが地に足をつけた
「お待ちしておりました。」
「久しぶりねセバスチャン。元気にしてた?」
外で待っていたセバスチャンが、レイラに挨拶をする
「はい。レイラ様もお元気そうで何よりでございますもうすぐクラウス様が到着なさります。中でお待ちください」
「ありがとう。ところでシエルはどこ?今日こそ勝負をつけてやるわ」
「それは僕のセリフだ」
コツコツと踵を鳴らしながら、屋敷から出てくるシエル
「相変わらず憎たらしい顔をしてるわね、シエル・ファントムハイヴ」
シエルの顔を見ると、眉間に皺を寄せ、怪訝そうな顔をするレイラ
そんな様子をシエルは心底面白そうに見つめる
「チェスは話の後だ。クラウス面白い"ゲーム"を手に入れたそうでな」
「へえ…まあ、期待はしないでおくわ。」
二人が話していたその時であった
さらにもう一台の馬車がファントムハイヴ邸に止まった
「やれやれ...本国は遠いな、まったく...ここへ来るのも久しぶりだ」
「来たか。クラウス」
クラウスと呼ばれた男は、シエルとレイラの姿を見ると、嬉しそうに抱きしめる
「ボナセーラシエル!!レイラ!!元気にしていたか?少し背が伸びたかな」
「残念ながら変わっていない」
シエルは真顔でそう答えながら屋敷へと歩く
レイラはブッと思わず吹き出しながらその後に続いた
「それは失礼‼︎相変わらずで何よりだ。レイラはさらに美しさに拍車がかかったな。とても15とは思えん」
「ありがとう。クラウスも相変わらずね」
クラウスは側に控えていたシャルロットにも言葉をかけながら、屋敷の中へ入っていった