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□貴方まであとさんせんち
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「浅野君っ!好きです!!私と付き合ってください!!」
_______今日もまた、騒がしい一日が始まる
「ありがとう、と言いたいところだが…みょうじさん。今は会議中なんだが?」
「はい!議題はもちろん[俺の彼女(みょうじなまえ)が可愛すぎる件について]、ですよね!」
「どこかで聞いたことあるセリフだね。3秒以内に出て行かないとどうなるかわかるよね?」
「ひゃあああ!!しびれます!!!録音したいんでもう一回言ってください!」
「………もういい黙っててくれ」
最近、僕_____浅野学秀は、ストーカー被害に悩まされている
会議中にも関わらずズカズカと生徒会室に入ってはカメラの連写を止めないこのバカ…いや、大バカの名前はみょうじなまえ。
彼女との出会いは今年の春…新学期が始まって間もない頃だった
廊下で盛大にコケていた所にたまたま遭遇し、助けたところ一目惚れをされたらしい。それから今現在までこのように執拗に付きまとわれている、という訳である
「モテモテだねえ浅野君」
隣に座る榊原が苦笑いを浮かべながら見つめてくる
同情するならどうかこのストーカーを追い出してくれ
「こんにちは榊原さん。皆さんお馴染みの浅野君のハニー、みょうじなまえです」
「あ、あぁうん…今日も元気そうでなによりだよ」
若干引き気味の榊原
どんなに周りの人間にドン引きされても微塵も気にする様子のない彼女は素直に尊敬する
それどころか輝くような笑顔なんだ
本当になんなんだこの人は
「あ〜、えっと…浅野君バトンタッチ」
「僕を巻き込まないでくれ…」
「嫌だなあ浅野君、貴方と私はもうディスティニーの赤い糸で結ばれてるんですよ」
「…………そうか、もう結構だ」
頭を抱えるような思いだ
何がディスティニーだ…と心の中で悪態をつきながら、僕はちゃっかり目の前にいるみょうじを見揃えた
「…ちょ、あんまり見つめないでください。恥ずかしくて爆発しそうです」
「いっそそのまま焼け死んでくれれば嬉しいね」
「冷たい貴方も好き!!!もう結婚してください!!」
「…口を塞がれたいのかい?」
「漫画やアニメキャラのドS系のイケメンだと"俺の唇でな"って言って熱いキッスを交わすんです!浅野君からそんな事をされるなんて…生きててよかった」
「頼むから少しの間黙ってくれ」