枯れるまで愛して**


□デートの時間
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ーーーデートの約束の時間まであと約 11時間

夜の11時を回った頃、愛は部屋で一人ブツブツと呟いていた



「……か、可愛い服って…一体何を着ていけばいいの」

床に散乱する大量の衣服
スカート、短パン、チュニックにワンピース

たくさんの種類の中からたった数着選ぶだけで、先ほどから1時間思い悩んでいた



「ど、どうしよう…いつも学校から帰ってきたら部屋着に着替えるだけだしオシャレなんて全然しないし…」

オシャレ好きの母親がたくさん服を買って送って来る事で、服には困っていないが、どう組み合わせていいのか…と1時間迷いに迷っていた



「桃花に相談してみよう…」

側に落ちていたスマホを拾い上げ、愛はアドレス帳から桃花の名前を探す



(起きてるかな)

と心配しながら、メールで[デートに着ていく服って、どういうのがいいのでしょうか]と送ってみる


ふう、とため息をつきながら散らかっている服を見ていると、突然スマホからバイブ音と共に電話の着信音が大音量で流れ出した


「うわああああぁっ」

思わず声を出しながら、画面を見ると、そこには桃花の文字が





「…も、もしもし」

《もしもし愛どうしたのっ⁉︎デートって、もしかして彼氏できたの⁉︎》


スマホから聞こえる桃花の声に思わず耳を塞ぎながら、愛は順を追って説明した



「じ、実はーーーーーーー」












********







《ーーーーなるほど、そういう事だったのね》

納得したらしい桃花は、うんうん、と相槌を打っている






「ご、ごめんねこんな遅くに」

《気にしないで愛、ちょうど勉強にも飽き飽きしてた所だし。なんてったってカルマ君との初デートだもの!》



「初デートってワケじゃ…」

《そんで、服が決まらない、と…うーん》


愛の話が聞こえないらしく、桃花はなにが良いかな〜と電話越しで悩んでいた



《愛さ、せっかくスタイルいいんだからスカートとか履いちゃえば?上は露出の少ない服着ればいいだろうし》

「スカートって、制服以外着ないから似合うかどうか…」

《愛可愛いし、問題ないって!こうなったらカルマ君悩殺作戦よ!》


「桃花?ちょっと…」













なんやかんやで桃花との明日のデートの服選びで、あっという間に時計の針は12時を指していた










《これで準備は万端ね‼︎頑張ってよ愛‼︎》

「うん、ありがとう桃花…こんな事聞けるの桃花くらいしかいなかったから…」

電話越しに桃花の優しい声音が聞こえ、愛の緊張も少し和らいでいく




《なんか嬉しいなーそれ。明日デートの結果教えてね♪

ふあーああ……あたしそろそろ寝るねー。愛も寝坊しないようにね》

あくび混じりの眠そう桃花の声を聞き、愛は「ありがとう」と返しながら部屋の明かりを消した


お互いおやすみー、と言いながら電話を切ると、段々と眠気に襲われていく




(桃花のおかげで準備できてよかった………)

明日のことを考えながら、愛は少しの期待を胸に、まどろみに身を任せるのであったーーーーーーーー
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