枯れるまで愛して**
□テストの時間2
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先程の"キス"事件から数分
愛は非常に混乱していた。
あの後思いっきりカルマに怒鳴った後、マッハ20にも劣らないくらいのスピードで、愛はその場から逃げ出した。
後ろでカルマが何か言っているようだったが、そんなのはお構いなし
(最低最低最低‼︎あのど変態‼︎宇宙のチリになってしまえ‼︎死ね‼︎まじで死ね‼︎)
湯気が出そうな程顔を真っ赤にしながら、心の中でカルマを呪った。
(…初……キス)
まだ熱を引かない唇にそっと触れる
《ーーーーーーーその顔はダメだよ、愛》
あの時言われた言葉に
瞳を閉じたカルマの顔
握られている手
全部がフラッシュバックしてきて
さらに愛は動揺した
心臓がありえないほど脈打って
触れられた場所全てが熱く感じる
「…〜っ」
愛はその場にしゃがみ込み、頭を抱えた。
(落ち着け自分、確かに驚いたけどキスがなんだっていうのよ。こんな事で動揺してバカみたいじゃない)
そう自分に言い聞かせ、愛は冷静さを取り戻していく
(どうせアイツはまた面白がって私をからかっているだけ…私だけこんなに気にする必要なんてないんだ、うん。そうだ)
スッと立ち上がると、愛は気を引き締めて再び歩き出した。
頭の中にカルマの顔がチラチラと浮かんでくるが、気にしたら負けだ
「今日は災難だった…帰ったら寝よう…」
日が沈み出し、太陽が傾き始めていく
愛は赤くなりだした空を見つめながら、無心で家に帰るのだった