枯れるまで愛して**
□過去の時間
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この物語は、私、西森愛がここ椚ヶ丘中学に入学したことから始まった。
全国でも名高い進学校と聞いていたが、大したことはなさそう、というのが第一印象だった。
教師や周りに勧められるがまま入ったのが、この学校だ。
「新入生の皆さん!入学おめでとうございます!明日からここ、椚ヶ丘の生徒として恥のないよう、しっかり勉学に励みーーーーーーーー」
入学式
長々と壇上で話し続ける校長
黙って話を聞くことにそろそろ飽きを感じ、愛はあくびを漏らす
時々校長の話に出てくる、E組という名前
入学する際に聞いていたが、成績不良者や生活態度が悪すぎる生徒達が落とされる、落ちこぼれクラス
通称エンドのE組と呼ばれるそれは、本校舎の生徒にとっては見下しの的だ。
校長は嫌な笑みを浮かべながら
「皆さんも、くれぐれもあんな落ちこぼれにならないように」と嘲笑った。
体育館中にE組に対しての笑いが沸き起こった。
(なるほどね…理事長が施している独特の教育方針って、これのことか)
愛はふーん、と一人で相槌をうった。
(こうやって校内で差別状況を作り出すことによって危機感を生ませるってとこかな。下衆いこと考えるもんね)
ぎゃはぎゃはと笑う上級生を見つめながら、愛は思うのであった。