光りを探して**

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嫌だったんだ




なんの感情も

喜びも

連体制の欠片も無い

そんなプレーなんて















最初は大好きだったの


初めて触ったボールの感触
バッシュのスキール音も、ボールがネットをくぐる音も







ただ全部が大好きで


夢中になって打ち込んだ



















”天才”


いつしかそう言われるようになった













違う。

ただ上手くなりたくて。

必死に練習しただけ

血の滲むような努力をして
身を削る努力をしたから




誰よりもうまくなりたくて
誰よりもバスケが好きだったから
















10歳の時


アメリカでも有名なチームから勧誘されて


飛び跳ねるほど嬉しくて










ますますバスケが好きになった








あの人の期待に応えたくて


もっともっと強い人と戦いたかった















そこからだ



自分のバスケが狂い始めたのは










入ったのは、個々の秀でた圧倒的な実力だけが行使された



“チーム”

そうとは到底言えないほど、かけ離れたものだった。








勝つ事しか許されない

勝利の為ならばどんなことでもする。

そんなチーム。











そんなのいやだった

楽しくなかったの





勝つ事が目的のそのプレーは

冷たくて、まるで熱なんて感じさせない

そんなつまらないバスケだった







つまらなかった。

やめたかった。

離れたかった。








ボールも見たくなくなるほどに

でも、やらなきゃいけなかった

やめちゃいけなかった







いつから、自分のバスケはこんなにもつまらなくなってしまったんだろう。




いつから、世界はこんなにも小さくなってしまったんだろう
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