捧げ夢

□浅野君とプリクラ
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これは、私 西森名無しと、浅野君が数々の初体験(下ネタではない)をする物語である。




今回の浅野君初体験は、世のカップル達が必ずと言っていいほどするであろう、プリクラだ。

前回行ったマクドナルドの帰りに、私が「次はプリクラ撮ろう」と言ったのを覚えていたらしい浅野君

帰りのホームルームの後、浅野君が私に行こうと言ってきた

何気なく言った事言葉さえも覚えていてくれた事に嬉しさを感じながら、私は浅野君とゲームセンターに向かう




手でも繋ごうか、と冗談交じりに言ったら浅野君が「なんだと!?」と顔を赤くしながら物凄い勢いで振り向いてくる
首が折れるんじゃないか、と思えるほど早かった

そのまま看板にぶつかっていった浅野君を華麗にスルーしながら私はゲームセンターに入っていく。


「やっぱりカップルが多いねえ」

周りを見渡せば、至る所にカップルがいた。
私達もその中の一つとして見られているのかな、とか思っていたけど、浅野君の一言で現実に引き戻された

「こんな昼間からあんなにベタベタと…不純だ」

お前はいくつだよ






「ほらほら、浅野君。どれで撮る?」

プリクラコーナーを指差しながら浅野君に尋ねると、どれでもいい、と返される。
どうやら種類の違いがよくわからないらしく、たくさんあるプリクラ機に浅野君は夢中になっていた


「どうやってプリクラを撮るんだ?」

初めてのプリクラでやりかたがわからないらしい浅野君は、ある筈のない説明書を探している
ここに入れるんだよ、と投入口に小銭を入れると、おおお…と感嘆の声を漏らす


「タッチパネル式だと!?たかが写真を撮るだけだというのに技術の使いすぎじゃないのかい?」

ごちゃごちゃうるせえ。



フレーム選択の時の浅野君はうるさかった

凄い食い気味にこのハートのフレームにしろだの言ってきて、私達ラブラブだねって言えば噛み噛みで「ち、ちゃ、違うじょ」って顔真っ赤にするんだもん。本気で吹いたよ





《フレームの中に入って〜、ぎゅっと抱き合ってみよう!》



機械がそうやって撮る側に指示をする
案の定浅野君は大慌て


「ぎゅ、ぎゅぎゅぎゅぎゅう!?していいのか‼︎こんな密室で‼︎」

「普通に撮ればいいんだよ、リラックスリラックス」

「こんなところで…しかも抱き合うだなんて…い、いいのか!?」



パシャッ

ちゃっかり横でピースサインを決める私の方を向いた浅野君
その瞬間に機械がシャッターを切ったらしく、浅野君の顔はブレて悲惨なことになっていた。
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