ハンター夢

□飛行船×夜×休憩
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私の事を問題外って扱いはさすがに本人を前にして言わないで欲しい。
「だって、ナマエはライセンス持ってない方がおかしいもん」
そっちの意味ですか――なら良し!
「メンチも気付いてたと思うけど、255番の人がキレ出した時、一番殺気放ってたの、実はあの44番なんだよね」
そりゃ殺人狂ですから、ヒソカは。他人の殺気に当てられたら、自然と自分から殺気放ちますよ。ただでさえ念が使えるハンターが目の前にいるのに、殺気を抑えるわけがない。
「もちろん知ってたわよ。抑えきれないって感じの凄い殺気だったわ。でも、ブハラ知ってる?あいつ、最初からああだったわよ。あたしらが姿見せた時からずーっと」
「ホントー?」
「そ。あたしがピリピリしてたのも、実はそのせい。あいつずーっとあたしにケンカ売ってんだもん」
「私にもそうでしたよ。彼は要注意人物です」
コーヒーを飲みながら、サトツさんは続ける。
「認めたくはありませんが彼も、我々と同じ穴のムジナです。ただ彼は我々より、ずっと暗い場所に好んで棲んでいる。我々ハンターは心の何処かで好敵手を求めています。認め合いながら競える相手を探す場所を……ハンター試験は結局、そんな所でしょう」
サトツさんの観察眼は相も変わらず素晴らしい。
「そんな中にたまに現れるんですよねェ、ああいう異端児が。我々がブレーキを掛ける所で躊躇いなくアクセルを踏み込めるような……」
「で、ナマエが注目しているのは?」
いきなり話を振られて考える。原作通りになって欲しくはない思いは間違い無くある。
「少年組とその友達。それに44番と301番かな。ハゲはうざったいしなんかムカつくからどうでもいい」
「44番以外は新人ですね」
「【念】を習得したら化けるよ、少年組とその友達は……ね」
「ナマエの勘は当たるもんなぁ」
今回のは勘じゃなく原作の知識なだけなんだけどね。
「で、シャワー室の鍵は結局貸してくれるの?くれないの?」
「悪!すっかり忘れてたわ」
メンチから鍵を受け取り、お腹も膨れたことだしシャワー室へと向かった。
朝からドタバタさせられた挙句、汗と埃と泥まみれだ。スッキリとしてから眠りたい。
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