ヒソカトリップ夢(完結済み)

□二次試験
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ナマエとヒソカが二次試験会場に戻った所で、ちょうど正午になり建物の扉が開いた。
中にはブハラとメンチがおり、先程から鳴っていた異音はブハラの腹の音であると受験生はやっと認識出来たのだった。
「どお?お腹は大分空いてきた?」
「聞いてのとおり、もーペコペコだよ」
「そんなわけで、二次試験は料理よ!!美食ハンターのあたし達2人を満足させる食事を用意してちょうだい」
「料理!?」
意外な課題に受験生は呆気にとられている。
「まずは、オレの指定する料理を作って貰い――」
「そこで合格した者だけが、あたしの指定する料理を作れるってわけよ。つまり、あたし達2人が“おいしい”と言えば晴れて二次試験合格!!試験はあたし達が満腹になった時点で終了よ」
(男の方はともかく、あの女はあんまり食べそうにねーぞ)
(これでかなり人数が限られるな)
(しかしまさか料理とは)
「くそォ。料理なんて作ったことねーぜ」
「こんな試験があるとはな」
皆、一体どんな料理を作らせられるのかドキドキしている。
「オレのメニューは豚の丸焼き!!オレの大好物。森林公園に生息する豚なら種類は自由。それじゃ、二次試験スタート!!」

二次試験前半 ブハラのメニュー参加人数 149人

スタートの合図とともに、ナマエはグレイトスタンプを求めて走りだした。ヒソカはその後をついて来る。
「何でついて来るの?!」
「虫(男)避けさ♥」
「はぁ!?」
叫ぶナマエとニコニコ笑うヒソカ。そんな2人の前にはグレイトスタンプの群れが見えてきた。
「グレイトスタンプ発見っ!」
「へぇ、アレが豚か♣」
(確か弱点は額だったよな…)
【気まぐれな弾丸(アルケミー)】を発動し、グレイトスタンプの額を撃ちぬくナマエ。
「へぇ♦額が弱点なのか♠」
ヒソカもナマエに続いて、グレイトスタンプの頭部にトランプを投げる。
グレイトスタンプを仕留めた2人は隣り合わせで丸焼きを作る。
「ジッポ持ってるなんて、用意がいいね♥」
「単にタバコ吸うのに持ってるだけだよ。こんな使い方すると思わなかったけど(本当は知ってたけど、面倒だから言わずにおこう)」
「ナマエは喫煙者だったんだね♣」
「悪い?」
「いいや♦意外だっただけ♠」
あちこちでグレイトスタンプの鳴き声が聞こえ始めた。
「他の受験生も仕留め始めたみたいだね〜」
そこに、カタカタという音を鳴らしながら、ギタラクルがやってきた。
「ヒソカ、火貸して」
「ボクは持ってないよ♦ナマエに借りたんだ♥」
「ナマエって誰?」
「このコさ♥」
ヒソカはナマエを指さしながらギタラクルに言った。
(うわ〜……生ギタラクルはやっぱ気色悪いわ〜…………)
「ねェ、火貸して?」
首をコテンと傾げながら、ギタラクルはナマエに言った。
「いいけど、気持ち悪いからあんまり近寄らないで……」
つい本音で言ってしまうナマエに、ヒソカはクツクツと笑っている。
「嫌われちゃったね、ギタラクル♠」
「別に嫌われても、火さえ貸してくれればそれでいいよ」
ギタラクルにジッポを貸し、返ってきたソレでタバコに火を点ける。
「美味しいの?」
ギタラクルが首を傾げながら訊いてくる。
「美味しくなけりゃ吸わないよ」
「ボクにも1本くれないかい?」
意外にも、ヒソカが1本くれと言い出した。
「ヒソカも喫煙者?」
「いいや♣ナマエが美味しいと思うものを味わってみたいんだよ♥」
「あげるのはいいけど、メンソールだから喉にくるよ?」
そう言いながらヒソカにタバコとジッポを渡す。
タバコに火を点け、吸うヒソカは案の定噎せている。
「だから言ったのに……」
「コレが美味しいと思えるナマエを尊敬するよ♣」
「そんなに凄いの?」
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