ハンター夢

□三次試験×試練×開始
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トリックタワーのてっぺんに到着した飛行船。受験生が降りると、ビーンズにより試験内容が説明された。
「ここはトリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんです。ここが三次試験のスタート地点になります。さて試験内容ですが、試験官の伝言です。生きて、下まで降りてくること。制限時間は72時間」
そう告げると、飛行船は飛び立ってしまった。
《それではスタート!!頑張って下さいね》
拡声器でビーンズからスタートの合図が告げられる。
この時点で参加人数41名

「側面は窓一つないただの壁か」
「ここから降りるのは自殺行為だな」
数人の受験生が端から下の方を見下ろしながら言う。
「普通の人間ならな」
受験者の一人がトリックタワーの側面に手足を掛けながら降り始める。
「このくらいの取っ掛かりがあれば、一流のロッククライマーなら難なくクリア出来るぜ」
そう言いながらどんどんと降りていくが、森の方から怪鳥が飛んできて壁を降りていった受験生は食われてしまった。
外壁を伝う事を諦めた受験生は、下へと通じる扉を探し始める。
私も隠し扉を探し、身近にあった一つを使って下へと降りた。

降りた先の小部屋には、タイマーと壁に注意事項が書かれているボードがあった。
【一蓮托生の道。二人同時にゴールすること。どちらか一方が死んだ時点で、もう一人は自動的に不合格となる】
ペアを組む相手によってはかなり面倒な道に来てしまった。
《ガコン》
頭上の扉が開いたと思ったら、目の前にはギタラクルがいた。
「げっ……」
「ナマエ、それは酷くない?」
「いや、だって……その顔嫌だから……」
「なるほど。なら――」
顔面の鋲を次々抜きながら、ギタラクルはイルミの姿に戻っていく。戻るときのビキビキする音も苦手だから、耳を塞いで目を背ける。
ポンっと肩を叩かれて向き直ると、そこにはイルミがいた。
「コレでいい?」
「有難う」
「うん」
イルミに壁のボードを指さし、先に進むよう促す。
「パートナーがナマエで良かった」
「それはこっちも同じだよ。下手に弱い奴が来たら、色々と面倒だからね」
「うん」
イルミと話しながら、先へと続く扉を進む。罠も何もない道をひたすら歩くこと数時間。あまり喋らないイルミと歩いている事は苦痛ではない。ゾルディック家で過ごした期間で、イルミの性格はだいたい把握している。必要以上のお喋りはあまり好まない事も。
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