ハンター夢

□試験×開始×出会い
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ハンター協会に戻るなり、心配したネテロ会長にケータイを持たされた。
なんでも、ゼノさんのケータイに掛けても出ない・ホームコードに掛けても音信不通が続き、その結果一ヶ月程ゾルディック家に滞在となっていたとの事。そりゃ心配するわけだ。

それから約半年。ハンター協会内での仕事を手伝いつつ、念の修行もさせられていた。
久々に水見式をやってみると、以前は青止まりだった水の色が濃紺にまで濃くなっていた。
「ほぉ〜、おぬしは放出系だったのか」
「ネテロ会長!?」
いきなり背後から話しかけられ、思わずびっくりしてしまった。
「ジンからは『【念】は使える』とは聞いていたが、系統までは聞いとらんかったからのぉ」
長い髭を撫でながら、水見式を行ったコップをじっと見つめるネテロ会長。
「【発】はもう決まっとるんか?」
「基本形は決めてあります。何処まで応用出来るかが今の課題ですね」
放出系、つまりは【念】を放って色々するわけだ。基本は【念弾】だが、それじゃ味気ない。ペルソナに近いようなモノ、それが今の目標になっている。

「ところで……ハンター試験じゃが、来月だと言うのを忘れとった」
「はいぃ!?今なんて?」
「じゃから、来月ハンター試験が行われるんじゃよ」
「何でもっと早く言わないの?!そういう大事なこと!!」
「忘れとったからのぉ」
『ほっほっほ』と笑いながら言ってのけるネテロ会長に対し、軽く殺意が芽生えた。本当に軽く。
「あぁ、試験会場まではビーンズが連れて行くから安心せい」
「何?その特別待遇は……」
「ジンの推薦じゃからな。特別待遇にもなるわ(ワシの孫でもあるしの)」
「ちなみに――」
「拒否権はないぞ」
「やっぱり……」
どうせなら言ってみたかった。『ステーキ定食。弱火でじっくりと』って。
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