ハンター夢

□目覚めたら×別世界×ジンとの出会い
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あの日確かに巌戸台分寮の自室で眠りについた。なのに、目覚めてみると見覚えのない場所にいた。タルタロスに迷い込んだわけでも、影時間に取り残されたわけでもない。なぜなら、目の前にはあの【ジン=フリークス】がいたのだから……

「おい、大丈夫か?」
ジンが心配そうなに顔を覗きこんでくる。
夢か現か――定かではないものの、不安にかられ召喚器に手を伸ばしてみるが、ソコにあるはずの召喚器は何故かジンが持っていた。
「なんで女の子がこんな物騒なモノ持ってんだ?」
召喚器をしげしげと眺めながら、ジンは更に問うた。

「俺はジンってんだ。お前、名前は?」
「名前。どうでもいいから、ソレ返して!それにここ何処?!」
名乗りつつ召喚器を指さし、返却を要求するもジンは返してくれない。
「ナマエだな、よろしく!」
この世界でペルソナ召喚ができるかすらわからないが、無いよりはマシだ。とにかく召喚器を返して貰わねば。
「何処って……迷い込んだのか?こんな秘境の奥地に」
手の中で召喚器を弄りながら、ジンに問われた。

「ある意味迷い込んだっていうか……目が覚めたらココにいたんだよ。いい加減、召喚器返して!」
「ショウカンキ?なんだ?それ」
「アンタが持ってる銃だよ!返して!!」
「弾は入ってないみたいだし、返すのはいいんだけどな……誰かに置き去りにでもされたのか?」
召喚器を手渡しながら、ジンの質問は止まらない。
「違う!寮の自室で寝てたはずなのに、起きたらココにいて目の前にアンタがいたの!」
「って事はさらわれた上に捨てられたか……」
「そういうのじゃないと思う――ここは私のいた世界と違いすぎる」
自分がいた世界のことを簡単にジンに説明した。
影時間や影時間に現れるタルタロス、シャドウの事。そして、もう一人の自分である【ペルソナ】の事。

「じゃあ、ナマエは世界を渡ったってことか!」
豪快に笑いながら、さも当たり前のように言ってのけるジンに圧倒された。
「信じるの?こんな小娘の言い分を」
「信じるも何も、俺に害は無さそうだからな。とりあえず、【ペルソナ】ってのは念とは違うのか?」
【ペルソナ】に関しては説明するよりは見せたほうが早い。念とは全く別のモノなのだから。
「今からあそこの木を氷漬けにするから見てて」
そう言い、召喚器の銃口を自分のこめかみに当てる。
「おい!いくら弾が入ってないからって危ないぞ!!」
いきなり止めに入ろうとするジンを無視し、引き金を引く。
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